Canpali.(5980風)
「なぁ山本。」
「ん。」
「ヤらせろよ。」
何を、とは聞かなかった。
獄寺がこんな事を言い出したのはきっと、テーブルの上に並べられた空の缶チューハイのせいなんだと思う。
虚ろな目をした獄寺が、まだ酒の入った缶を片手に持ちながらこっちへにじりよってきて、
ソファに座っていた俺に、これ以上ないほど顔を近づける。
酒くさい。
「おめーばっかずりーんだよな。いっつも俺が掘られてさ。」
「だからたまには俺に上やらせろよ。」
そういうと獄寺は強く噛みつくようなキスで、俺の口の中をしっちゃかめっちゃかにしていった。
「…んっ、獄寺。飲み過ぎだろお前。」
覆い被さる獄寺をなんとか引き剥がしたものの
うるせー、の一言でまた押し倒された。
俺、こんなに力弱かったっけなー。とか思いつつ、
なんかもう今の獄寺には適わない気がして、素直に体を預ける事にした。
おわり。
(お酒はハタチになってから。)
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