幼なじみ。
いでんのお話
待ち合わせの30分前になり、バックを持ち、
"今から行くね
と打ったメールを楓に送信して再びリビングに向かう。
「今日、楓と出かけてくるから」
「はいはい、晩は食べてくるのかしら?」
楓のことだからきっと、どっか食べに行かない?≠ニか言い出すに決まってる。
「一応その予定ー…」
「わかったわ♪夜道は気をつけなさいよ?」
「わかってる」
返事はしたものの、心の中では
あたしを攫うような物好きな人なんて居るわけないけど
なんてことを思ってたりする。
あたしには両親の遺伝子が受け継がれなかったのか、すべてにおいて一般的だ。
それに比べ、両親の遺伝子をバッチリと受け継いだ瑠斗が羨ましい限りだ。
お気に入りのサンダルを履き、近くの鏡で軽く身だしなみをチェックする。
「…こればかりはどうにもならないか……。」
諦めよう…。
「…行ってきます…」
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