shortshort
岸辺露伴としか結婚できない(ジョジョ)
「この岸辺露伴が、なぜそんなことをしなくちゃあいけないんだ?」
心底嫌そうなカリメロを見上げて、私は無言であげていた両腕をグイグイ主張させる。
「断ると言ってるだろう!」
露伴は重ねて拒否、私はやっぱり無言。にらみ合う事数十秒、先に声を出したのは私だった。
「抱っこ、早く」
「君は僕の話をちっとも聞いていない!」
「そんなのお互い様でしょ、私を愛してるなら抱きしめて、抱き上げて」
「君を愛してるなんて、僕が、いつ言ったって言うんだ!?」
怒り狂う露伴、私はそれを特に何の感慨もなく眺めながら広げてあげていた腕を下す。
「…やっと諦めたか」
私の執念を甘く見るなよ、私は無言のまま立ち上がる。既に私を興味の対象外にしやがった露伴の背中に向け、私ははっきりと言葉を投げつけた。
「私は私を抱きしめてくれた人と結婚する事にした」
「『ヘブンズ・ドアー!!』」
「――………はっ!?いま何した?!」
「何の事だかこれっぽっちもわからない」
「(あからさまにとぼけてんじゃあねぇか!)」
『岸辺露伴としか結婚出来ない』
(ねえ、じゃあキスしてよ)(だが断る)(…もういい)((今度は何を言い出すつもりだ?))(全部私からしてあげたら良いのね?)(!?)
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!