[ハイキュー]クソガキ。
3話
貴「フンヌフーン…♪」
3時間目開始1分20秒前、晴斗は屋上の扉の前にいた。
貴「(ガチャ…よし。」
普段は閉鎖されている方の屋上の鍵を開け悠々と中に入っていく。
貴「あー…疲れた…!!」
グッと伸びをするといつもの定位置に寝転がる。
そして、眠ろうと目を閉じた。が何かを思い出したかのようにもう一度目を開けた。
貴「IH…出たk((キーンコーンカーンコーン」
チャイムにかき消された「IH出たかった」という言葉は未練や後悔の他に諦めなども感じられる声音でつぶやかれた。
その後数秒間唇を噛み締めてまた目を閉じようとした…その時晴斗の額に何かが当たった。
田「お前もIH出るんだよ!勝手に諦めてんじゃねぇぞ!」
貴「龍…!お前なんで…」
田「次の授業世界史らしいからよ、俺もサボリに来た」
貴「じゃなくてなんでここがわかったんだよって!」
田「あんだけ頻繁にサボってりゃわかんだろ、普通w」
貴「…そ、そういうもんか?」
田中は「おう」といい笑ってズボンのポケットから何かを取り出し晴斗に差し出す。
貴「いちご・オレじゃねぇか…俺甘いものあんま好きじゃねぇんだけど」
田「知ってて買ってきたんだよw…っていうのはまぁ冗談。日向と影山がお前と縁下が話してるのを外から聞いたんだとよ、それでこれ渡してくれって頼まれたんだ。」
貴「なんで…?」
田「さぁな、勝手に話聞いてすみませんとかじゃねぇか?まぁあいつらの場合一緒にバレーしましょうとかそっち系だと思うけどなw」
ガハハと笑い四角いいちご・オレの入っている紙パックを晴斗の手に置いた田中。
田「あいつらのためにも、大地さん達のためにも諦めんじゃねぇぞ。」
貴「…育ったなぁ、龍。」
田「親戚かお前は。」
しみじみとそういう晴斗に突っ込む田中。
田「まぁ、おじさんのことも色々あるだろうけどよ…あの、だから…えっと!!」
貴「あぁ。そのことはまぁもう大丈夫だよ、ありがとうな」
田「…ならいいんだけどよ」
少しの沈黙の間徐にいちご・オレのパックにストローを突き立てた晴斗。
田「無理して飲まなくていいと思うぞw」
貴「後輩の思いだからな!!」
ジューーーと音を立てて一気に飲み込んでいく。
貴「ぷは!………あっま…。」
田「当たり前だろ!!www」
貴「一気はさすがにやりすぎたな…気持ち悪くなってきた…てか、そういえば放課後大地さんに怒られんだった…胃がいてぇ……。」
ワハハハハハと屋上には笑い声が響いた。
そして、その日の放課後晴斗と田中が澤村にこっぴどく叱られたのは言うまでもない。
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