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[鬼灯の冷徹]補佐の補佐
十王と神獣と鬼と
貴「大王、この書類ですがまだ秦広王の印がありませんのでもらってきますね。」

閻「あれ、ホントだ!…悪いね、怜君。」

お願いするよ…という閻魔大王。

貴「いえ、現世のショートケーキワンホールでいいですよ。」

ニコリと微笑みながら指を一本立てていう怜。

閻「えぇ!?」

貴「では、行ってきます。」

閻魔大王の反応を無視しながらさっさと閻魔殿を出る怜。







貴「失礼します。」

秦広王「…ん?怜殿ではないですか。」

貴「お久しぶりです、秦広王。」

秦広王「もうこちらに帰っていたんですね。」

貴「はい、報告が事後になり申し訳ありません。」

そういうと頭をぺこりと下げる怜。

秦広王「いやいや、いいんですよ。」

貴「それでですね…こちらの書類なんですが、秦広王の確認を通らず閻魔大王のもとに来てしまったらしいので印をいただけますか?」

秦広王「わかりました。…確認が終わるまですこしかかりますのでお待ちください。…篁!」

大きな声で呼ぶと奥からスタスタとやってきた。

篁「…あ、怜様ではないですか!」

貴「篁さん、お久しぶりです。」

秦広王「この書類を届けに来てくれたんだ、確認が終わるまで待ってていただくからお茶をお出ししてくれ。」

篁「はい。」

そういいお茶の準備をしに行く篁と入れ替えに奥から一本角の見慣れた人物が姿を現した。

貴「………何やってるんですか、こんなとこで。」

鬼「秦広王に今度の懇親会のことを報告しに来たんですが、つい篁さんと話し込んじゃいまして。」

貴「…暇人((ボソッ」

ガツンッ!と金棒で頭を殴られる怜。

貴「いって!……せめて素手でやってくださいよ…金棒は痛い。」

鬼「そうですか、すみませんでした。…では」

そういうと拳を怜に向かって突き出す鬼灯。その拳を掴み殴られるのを防いだ怜。

貴「…なにが、ではですか!…今拳でやれって言ってんじゃないんですよ。」

鬼「そうでしたか。」

パッと手を離す鬼灯。

篁「怜様、どうぞ^^」

貴「すみません、ありがとうございます。」

篁「怜様…おでこ腫れてますよ?」

お茶を片手にお礼をいう怜を見て篁がいった。

貴「さっき鬼灯さんに殴られたからでしょう。」

鬼「私が殴ったのは後頭部です。」

貴「もっとタチが悪いじゃないですか。……じゃあ、どっかぶつけたんでしょうか。」

鬼「怪我したのを覚えてないなんてどこの小学生ですか。」

貴「鬼灯さんと一緒にいると心当たりが多すぎてわからなくなるんですよ、あなたのせいですよ。」

お互いぎりぎりとにらみ合う怜と鬼灯。

篁「怜様、これよかったら使ってください。」

そういい怜に小坪を渡す。

貴「…これは?」

篁「実は私もいろんなところにぶつかって痣やたんこぶをよくつくるんです、その痣に塗る塗薬です。」

貴「わざわざすみません。」

小坪を受け取り頭を下げ礼を言う怜。

篁「いえいえ^^」

秦広王「怜殿、終わりましたよ。」

貴「はい、確かに受け取りました。ありがとうございました、では…」

といい閻魔殿に戻っていく怜と鬼灯。

閻「あ!ありがと〜。」

貴「いえ……僕、秦広王というか篁さんの補佐が良かったです。」

閻「え…そんなに嫌なの!?ねぇ!!」

憂鬱そうにそういう怜に聞く。

鬼「まぁ、秦広王や篁さんの補佐なら休み多そうですからね。」

閻「そ、それは…そうだけど…」

そんな鬼灯と閻魔大王のやり取りをみて怜は改めて

貴(まともな奴がここにはいない…)

と思ったのだった。

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