[鬼灯の冷徹]補佐の補佐
補佐帰還
シロ「鬼灯様ー!遊ぼ!!」
元気な声でタッタとかけてくる白い塊、シロ。
鬼「シロさん、今日は非番ですか?」
シロ「うん!」
鬼「そうですか、では桃源郷まで一緒に来ていただけますか?」
シロ「いくいく!!」
タンタンと前足を上げ下げし喜ぶ。
では…と言いかけた鬼灯だが、一瞬止まり思い出したようにいう。
鬼「そういえば今日は怜が帰ってくるはずですね…」
シロ「怜?」
鬼灯の言葉に首をかしげ問いかける。
鬼「はい、私の補佐をしてくれてる人です…あ、人じゃないですね…」
シロ「そうなんだ!帰ってくるってどこから?」
鬼「現世からです」
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閻「鬼灯くん!怜くんが帰ってきたよー!」
閻魔大王の声を聞くと行きましょうと言い声のする方に歩き出す鬼灯とシロ。
貴「ただいま帰りました。」
鬼「現世はどうでしたか?」
貴「特に何か特別なことはありませんでしたよ。あえて言うならジャンプは面白かったです。」
スッと懐から週刊少年ジャンプ11号を取り出す。
閻「それ言っちゃダメ!これモーニングだから!!」
ドンと机を叩き行った閻魔に対し舌打ちをする怜。
貴「うるさいじじぃだな。(ボソ……すみませんでした。」
閻「舌打ちしたよね!?ていうかすみませんって思ってないよね!?」
閻魔の言葉を完璧に無視して話を続ける。
貴「僕、白澤のヤロー…白澤さんから現世の薬草をいくつか持ってきてほしいって頼まれてたので行ってきます。」
鬼「ならちょうど良かったです。私たちも丁度桃源郷に行こうと思ってましたので行きますか。」
貴「まだ、生きてたんですか。鬼灯さん。((グイッ…痛っ!」
頬を引っ張られていたがる。
鬼「行きましょう。」
つねられたところをさすりながらついていく。
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〜桃源郷〜
貴「そういえばあなたの名前聞いてませんでした。」
シロ「俺?」
貴「はい、桃太郎のお供だった方ですよね?」
シロ「そうだよ!俺はシロ!!」
貴「シロさんですか、よろしくお願いします」
微笑みながらシロの頭を撫でる。
シロ「でも、なんで桃太郎のお供だって知ってるの?」
貴「現世報告の時に話はちょくちょく聞いてました。」
そうだったんだ!と言い尻尾を振るシロ。
鬼「どうでしたか?」
貴「悪霊化してる亡者の数が急激に増えてます。それになくなってから悪霊となるまでの期間が短いです。正直多忙すぎて大変でした。」
鬼「受けてる報告だけでも悪霊は250人現世をうろつく亡者は1000人を超えるという数ですからね。」
はぁ、と二人してため息をつく。
そうこうしてるうちに『うさぎ漢方極楽満月』、白澤の店に着く。
貴「白澤さんお邪魔しますよ((ガシャーーン!」
言葉を発すると同時に店の扉を蹴って開ける。
白「……誰だよ、てか、何すんだよ!!」
貴「お久しぶりです。……ここの扉押し扉じゃなかったでしたっけ?」
自分で蹴飛ばした扉をガンガンと踏みつけながらいう。
白「押し扉じゃないし、押し扉だったとしてもなんでけるのさ!!」
まったく…と床に散らばった薬草を拾い集める。
貴「すみません、現世ではこう開けるのが主流でして。」
白「嘘つくな!」
怜も床の薬草を拾い白澤に差し出す。
白「あ、謝謝」
貴「いえ((ポイッ」
白澤が薬草を手に取ろうとしたとき怜は手に持っていた薬草を床に投げる。
貴「…(ニヤッ」
白「お前いつも以上に腹立つ!!」
シロ「そういえば俺が来たときから怜様いなかったけどいつから現世にいたの?」
怜の脚をテシテシと叩き聞く。
貴「2年前からです。現世に悪霊や現世をうろつく亡者が急増したため僕が駆り出されたんです」
シロ「そっか!」
話をしていると扉の(ないけど)方から声がする。
桃「あれ!?扉がない!!」
シロ「桃たろー!!」
その人を見るやいなや駆け出す。
桃「シロー!……あ、鬼灯さん!と誰?」
貴「初めまして、僕鬼灯さんの補佐をしてます。怜と申します。」
初めまして…!と頭を下げていう。
桃「でも、怜さん角とかないですよね、鬼じゃないんですか?」
怜の頭を見ていう。
貴「僕は九尾の狐ですよ、こんなドS鬼神と同じ種族なんて考えられません。そんなの御免こうむります。」
シロ「笑顔でサラッとすごいこと言った!」
桃「……九尾の狐ってことは妲己さんと同じですね」
貴「やめてください。妲己さんとはやることも種類も違いますから。そもそも狐にも種類があるんです。人を惑わすような狐もいますけど、僕は稲荷狐ですから。」
ほぉ〜…と納得する桃太郎とシロ。
鬼「怜は一応神獣ですからね。一応」
貴「元人間がほざかないでください。」
腰から刀を抜き臨戦態勢に入る怜。
白「ちょっとちょっとちょっと!!ここでやるのはやめてよね!!」
貴「…うっせーな(ボソ」
桃(怖いっ!)
シロ「怜様神獣なんだ!!すげー!」
貴「そうでもないですよ、まぁ、ただの鬼よりかは格は上だと思いますけどね。人間混じりの鬼はもっと格は下ですけど…さっさと仕事辞せよ(ボソ」
鬼「あなたに任せてたら地獄が無法地帯になってしまいますから、辞しませんよ。」
金棒を構えながら言う。
貴「いいですよ、別に今辞さなくても。先に死ぬのはあなたですからね。」
挑発するようにいう。
桃「このふたりも大概仲悪いんですね。」
白「そうだね、まぁ昔色々あったからね〜…やだやだ、血の気が多くて困るね」
貴「黙れ、淫獣が…あなたなんて神獣の風上にもおけませんね、死んでください。」
白「やだね!!てか、何しに来たのさ、扉壊しに来たの?」
貴「あながち間違いじゃありませんけど、現世の薬草持ってきましたよ。っていうか、あなたなら簡単に現世まで行けるのにわざわざ2年も待ってすることですか?」
カサカサと綺麗な包に入った薬草を渡す。
白「謝謝〜……僕だって暇じゃないもん」
貴「……あー、女の尻追いかけるので忙しかったんですね。」
白「仕事だよ!!」
貴「間違っちゃいないでしょう。」
そういえば…と怜が話を続ける。
貴「妲己さんがいいカモが見つかったって言ってました、あれあなたですか。」
白「僕はカモじゃないもーん」
貴「そうでしたね、遇蹄類ですもんね。」
白「ちげーよ!」
もうなんなんだよ!といいずんずんと薬棚の方に歩いていく。
鬼「頼んどいた薬さっさとだしなさい。」
白「ほんとお前らなんなの!?……はいっ!!」
乱暴に薬を渡す。
貴「じゃあ戻りましょう。帰ってきたばかりで少し疲れましたし。」
鬼「そうですね。」
白「さっさと帰れ!」
貴「では…(スタスタスタ」
貴・鬼「((バキッ・ガシャン!」
帰り際に玄関の縁を蹴りと金棒で壊して帰っていく鬼灯と怜。
白「何すんだよ!!!!」
白澤の叫び声が桃源郷に響いたのであった。
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