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[ハイキュー] 天才のマネージャー
テンコウ!!
母「青葉ー!ちょっときて!」

3階建ての一軒家にすむ河上家。リビングである1階から青葉の母が青葉を呼ぶ。

貴「……」

一方青葉はヘッドフォンで音楽を聴いてて聞こえていない……フリをしている。

母「ちょっと、青葉!(トントントン」

トントンと音を立てて青葉の部屋のある2階に上がってきて、部屋の扉をノックする。

貴「…っち………(ガチャ…なんだよ」

母「何回も呼んでるのに来てくれないんだもん!」

貴「(何回もって2回くらいしか呼んでないだろ…)…なに?」

嫌悪丸出しの表情で母に問いかける。

母「味見をしてもらいたくて^^」

貴「(なんで俺なんだよ)…いや、俺今日の7時頃には出発するから飯くわないよ。」

母「えぇ!?今日だったの!?早く言ってよー!」

驚きながらいう母に対しいらだちを見せる青葉。

貴「先週から言ってたよ。」

母「そうだった?まぁ、いいわ。」

それだけ言うと母はまたリビングに戻っていく。

ガチャン

部屋の扉を閉め青葉はスマホに手を伸ばす。

貴「………」

電話帳から姉の電話番号をタップし電話をかける。

姉『はいはーい?』

貴「俺だけど」

姉『何?オレオレ詐欺?w』

ふざけてるような声音でボケてくる姉を無視して話を続ける。

貴「9時頃そっちに着く予定だったけど、早めていい?」

姉『何〜?また何かあったの??』

先ほどの母の態度は昔からのものだったため姉もなんとなくわかっているような口調で問いた。

貴「…いや、別に」

青葉もさっきの出来事を言う気にはなれなかったため曖昧な返事を返す。

姉『そっか。いいよ、何時くらいにくる?』

姉もこれ以上聞くことをやめ話を変えた。

貴「もう出れるんだけど」

今すぐ家を出たいという気持ちがこもっているような言い方だった。

姉『仕方ないな〜、今から向かうよ』

その気持ちを察した姉は軽く返事をした。薄々こうなりそうな気がしてたため、大学の授業も午前だけにしバイトも入れないで置いたのだ。

貴「悪い、ありがとう」

姉『なんかおごってねーw』

貴「稼ぎは姉ちゃんの方があるじゃん」

姉『ま、私は大人だからww』

そう言いながら電話の向こうでエンジンをかける音がした。

貴「はいはい。そうですね。」

姉『何その適当な返事!腹立つー!w』

笑いながらいう姉につられて青葉も少しばかり笑みが溢れる。

貴「駅前で待ってるわ。」

姉『はいはーい、了解!』

電話を切り、そそくさと準備を始める。

貴「…よし」

もともと物は少ない部屋だったため荷物も割と少なめにすんだ。

トントンと階段を下り、早足でリビングを通り過ぎる。

貴「……ふぅ」

リビングを通り過ぎるとほっとしたように一息ついた。靴を履き玄関のドアノブに手をかけ扉を開こうとした、その時扉の向こうから別の力がドアノブを引っ張る。

貴「!!」

父「……なんだ、お前か」

貴「…おかえり」

父は青葉のもつ荷物に目をやった。

父「なんだ?家出か?」

貴「ちがうよ、今日から姉ちゃんのとこで暮らすって先週言っただろ」

父「俺だって忙しいんだ、お前の家出ごっこの計画話に付き合ってる暇なんてないんだよ。」

その言葉を聞いて青葉はキッと父を睨む。

父「なんだ?」

貴「……なんでもない」

顔を逸らし強い口調で言い放つ。

父「そんなことより高校はどうした?」

貴「転校の手続きも転入の手続きもしてあるよ。」

そう言ってすぐに家を出た。

スタスタスタ

貴「……なにも知らねぇんだ…」

さっきの父とのやり取りを思い出し小さくつぶやき唇を噛み締める。







姉「おーい!青葉ーー!」

車の窓を開けて叫ぶ姉。

貴「!!…おぉ」

小走りで車に駆け寄り助手席に座る。

姉「じゃあいくよー!」

貴「おう」

いつも以上に明るい姉を不思議に思いつつ返事する。

姉「(浮かない顔してるなー…)あ!そうだ!!途中のコンビニでエクレアおごって♪」

貴「…いいよ」

姉「やったー!」

少し明るい表情になった青葉をみて安心する姉。

姉「これからは今までよりずっと楽しい毎日になるよ^^」

貴「だといいけどね」




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