立海大附属 ◇澄みきった青空/幸村精市 澄みきった青空が広がる日―。 「精市…別れよう?」 彼女は突然そんなことを言ってきた…。 俺は…。 俺は、名前と別れることになった…。 「名前…」 名前と別れて数日。 なぜ名前が、「別れよう」と言ってきたのかはわからない…。 ただ名前が「別れよう」と言ってきたから…俺は素直に別れた…。 名前が俺を嫌いになったのだとしたら、名前が俺と付き合う意味はない…。 名前に嫌な思いはさせたくない。 だから、別れた…。 けど、俺の頭の中は名前のことでいっぱいで…。 本当は別れたくなんかなかった…。 ずっと一緒にいたかった…。 名前の隣りを並んで歩いていたかった…。 名前の彼氏としてずっと守っていたかった…。 「名前…」 もう彼氏として、一緒にいることは出来ない…。 俺は名前のことをこんなにも好きなのに…っ。 言葉に出せなくて…別れたくなかったなんて言えなくて…。 俺は…ずっと名前のことを想いながら― あの時と同じ、澄みきった青空を見上げていた…。 END [*前へ][次へ#] [戻る] |