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立海大附属
◆胸に閉まった想い/丸井ブン太


「ねぇブン太!ちょっと見て」

「んー?」




おれに声をかけてきたのは幼なじみの名前。


近所に住んでて、小さい頃から一緒によく遊んでた女の子。




「今日はね髪を結んできたの。ブン太から見て変じゃない?」

「変じゃない。むしろ似合ってて可愛いぜぃ名前」

「本当?ありがとブン太!」




おれは名前に惚れてる。





それも結構前から。







けど名前にとっておれは幼なじみで、兄妹みたいなもので…。







恋愛対象には入っていない…。







今だって、名前は好きなやつに告るためにいろいろと準備している。





そう、名前には好きなやつがいる…。





もちろんそれが誰かはおれは知ってる。





名前はおれが名前に惚れてるなんて知らないから…好きな人ができた、なんてこともおれに言ってくる。









おれ、ショックだったんだぜぃ…?








名前に好きなやつができたこと…。









名前が…おれから離れて行ってしまうようで…。








「名前」

「ん?」



「頑張れよ」



「うん!」



「名前なら絶対大丈夫だ」



「ありがとブン太!」








こうやって一緒にいる時間も少なくなる…。






名前がおれから離れていく…それは嫌だ。








だけど……。








名前が悲しむ姿を見るのはもっと嫌で…。








だからおれは……。









この想いを伝えない…。








ただ「頑張れ」と。





名前の背中を押すだけで…。









名前へのこの想いは…










おれの胸の中に閉まっておく…。







END

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