BL小説
◆好きだと伝えたくて/忍跡
この想いはきっと君には届かない…。
「跡部」
「…なんだ?」
「今日は天気良いと思わへん?テニスするにはめちゃ良さそうや」
「あぁ、確かにそうだな」
目の前で静かに読書をしている跡部を見てれば、自然と顔が緩んでしまう。
こうやって一緒にいれるだけで嬉しいと感じてしまうのは、それだけ跡部を好きになってしまったということを実感させる。
いつからやろなぁ…。
いつの間にか目をやれば跡部を追っていた。
ま、ええか。
そんなこと重要やあらへんし。
跡部に好きやって言うたら…どんな顔するんやろ…。
あの綺麗な顔が驚き、きっと引くんやろな…。
じっと跡部の顔を見る。
「…忍足、なにかあるのかその目は」
「え?いや、なんでもないで?」
「そうか?」
「そうやで。なんでもないから気にせんといてええよ」
好きやて言いたいんやけど、嫌われたくないっていう気持ちもあって。
ツラいなぁ俺…。
今はこのままでも、いつかはきっと伝えようと心の中で決める。
引かれたとしても、大丈夫なぐらいに覚悟が出来た時…きっと。
…跡部。
俺、跡部のことが好きやから。
この想いを伝えようと…。
END
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