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マグマラシと




「……うわぁ〜………」
《つながりのどうくつ》を出ようとした所で、あたしは立ち尽くした。
この辺りはいつも雨が降っているけど、今日のそれはハンパじゃなかった。滝が流れ落ちるみたいな勢いで、わずかに先の景色も鈍色の幕に隠されている。
「…これは、少し待たないとだよねー」
足元で同じように外を見て固まってたパートナー、マグマラシのナナシに話しかけると、同意するようにすり寄ってきた。ほのおタイプの彼は特に、こんな空の底が抜けたようなヒドい土砂降りの下に飛び出したいとは思えないだろう。
「よし、それじゃちょっと休憩ね」
あたしは洞窟の壁に背中を預けてしゃがみ込むと、ナナシにおいでおいでをする。素直に近寄ってきたところを膝の上にあげた。頭をあたしの肩に預けるカタチで居場所を安定させるナナシ。かざんポケモンのぽかぽかと熱い体を抱きしめるようにしてると、冷たくじっとりした洞窟の空気も少しだけ遠のくような気がする。
暗くて寒い場所で雨が弱まるのを一人待つのなら心細くて寂しい時間だっただろうけど、寄り添ってくれるナナシがいるから、だいじょうぶ。これから先、最高のトレーナーになるためポケモンリーグを目指して進むのはきっと大変な道のりだと思う。
それでも、きっと―――
「一緒になら、乗り越えていけるよね」


この温もりが 進むための力になる



耐えて待つ時間も、困難な道行きも、きっと、きっと

キミとなら、だいじょうぶ









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