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「ガイラルディア、お前ゲイなんだろ」
「…はぁ!?」

指差した先の男は不謹慎な言葉をいきなり浴びせられた為か、今までに見たことのない崩れた表情をする。
…だからと言って、この顔はねぇーだろ…。
折角の整った顔は決して皆様に見せられるようなものではない。
完全にこれはモザイクものだ。

「あ、だってジェイドが言ってたぜ」

まるで罪を擦り付けるかの如く、陰険眼鏡の名を口にした。
いやー事実だし…確かそんなことをこの前アイツに会った時言ってたし…。

「何ふざけたことを…。変な勘違いしないで下さいよ」
「じゃあ違うのか?」
「当たり前です」
「ふぅーん…。つまんねぇの」

ベッドの上に寛ぎながらクッションを手にする。
ガイは、つまらない冗談に付き合うことに疲れたのか小さな溜め息を零していた。
何だ、ガセかよ…今度会ったら何かで仕返ししてやるあのロン毛眼鏡…。
復讐を胸に誓った後、ふと同時に眼鏡が言っていたことを思い出した。
それをすぐにガイに問いかける。

「あ、…で、お前ってまだ童貞だろ」

これまた見たことの無い表情をしてくれたが、先程とはまた違う反応が返ってきた。
ばっ、とこちら側に勢い良く振り返ってきたかと思えば、わなわなと身を震わせている。
流石にこれは言いすぎたか…と軌道修正を試みたところ、それは不必要だったと悟った。

「…童貞で、何が悪いんですかっ…」
「……!」

あまりにも予想外な返答だった。
また否定をされたが、明らかに声のトーンに先程のような勢いが感じられない。
羞恥を隠そうと表情を必死に見せないようにしているガイの仕草に違和感が残る。
ギャップ萌え…というのか、これは。
確か何かの本で読んだことがあるぞ。

「何だよ。ヤりたいって気持ちはあんのか」
「そりゃあ…俺も男ですからそういう時期もありますし、興味ぐらいはあります…けど、」

女性恐怖症、か…。
一応耳にはしていたが若い年頃の男がまだ経験済ませてないってのは辛いよな。
こいつ顔もルックスも良いから女にモテるだろーし。
…てか何気こいつの顔、俺の好みなんだが。

「じゃあヤってみるか、ガイラルディア!」
「は…?な、何をですか」

すくっとベッドの上に立ち上がり、呆けたままのガイを見下ろす。
傍に寄り、脇腹に手を挟むと疑問符を浮かべさせた身体を持ち上げた。

「何ってお前、セックスに決まってんだろ」

またしても驚きの為か、歪んだ表情が視界に飛び込んだ。
この顔はあまり好みじゃないな…。
混乱状態のガイを抱えながら振り返り、ベッドにそのまま縫い付ける。
手始めに衣服を上から脱がし、下肢にも手をつけた。

「ちょ、ちょっと待って下さい陛下!正気、ですか…?」

ああ、その顔は好みだ。
直接下半身に反応しそうな程に。
下を脱がされそうになったガイはようやく思考低下の頭から覚醒し、手を止めてきた。
抵抗の表れなのか腕を強く握られる。
逆にその行為にいいような錯覚を起こし、誘導させられているんじゃないか、という勘違いまでしてしまいそうだった。

「何だ。俺が相手では不満か?」
「いや、そういうことではなくてですね…。俺、男なんですけど」

止められることに関して理解出来ない…といったところで不快感が募った。
今更、お前が男だからって何だってんだよ。
これから男女の交わりってもんを教えてやるんだから。

「安心しろ。俺は今まで女を落胆させたことはないぞ」
「だから俺、男で…」
「結局お前は突っ込まれる側だよな。ガイラルディア」

反抗を言葉で押し倒した、と言っても過言ではない。
脱がしていた腕を動かせば、抵抗していた身体はすんなりと言うことを聞いていてくれていたからだ。
例え、下肢にぶら下がっていた一物が外気に晒されたとしても。

「っ……」
「…やっぱり、萎えてるか〜」

羞恥を隠すかのように、ガイは手のひらで顔を覆った。
少しばかり開いた視界には下で一物を握る光景が写し出されたであろう。
直に触ってみれば、反応は至って良好。
軽く上下に強弱をつけて擦っていくと腰が不規則に揺れ始めた。

「知ってるか?これ、勃起させてから女の穴ん中挿れるんだぜ」
「あ、あッ、やめ…」

徐々に硬度を増しつつ色づいてきたそれは、男の象徴とも言われる由縁に近付く。
先端からは透明の先走りが垂れ始め、時々くりくりと指の腹で弄ぶ。
その度にガイからはたどたどしい喘ぎが溢れ出していた。

「…最も、今日ガイラルディアは挿れられずにイくだけで終わるだろうけどな」

激しい手淫に言葉足らずなガイは、ただただされるがままに一物を擦られる。
そのスピードは衰えることなく、直ぐ様絶頂は訪れた。
先端から、勢い良く白濁色の液体を噴射しながら何度か小刻みに揺れる。
放たれた液体はねっとりと、腹や胸などガイの身体を汚した。

「あ、…はぁっ、…っふぅ…やぁッ」

倦怠感がガイを襲い、出すものを出した一物は最初のように萎えていく。
噴出された液体を手に絡め、腹直筋に沿いながら撫でた。

「あんまり早漏すぎると、女は満足してくれないぞ」

にやにやと、顔色を伺いつつ息を整えるガイに笑む。
すると早漏という単語にカッなったのか、羞恥を感じたのか反論を口にする。

「陛下があんまり…焦らすからで、しょうっ…く、あぁッ」

腹を撫でていた指は白濁にコーディネートをしつつ、一つの穴へ消えていく。
侵入してきた異物を押し返そうと、腹に力が入る。
それでも解そうと、内壁を押し返す指の動きにガイは目を見開いた。

「あッ、な…に、これっ指…?」
「本当は女なら自分で濡れてくれるんだが…男はじっくり慣らさないと後が大変だからな」

くいっ、くいと幅を器用に広げては二本目を挿入する。
すぼまった入口は侵入を拒むかもようにきゅうきゅうに指を締め付ける。
ただの感じたことのない壮絶な痛みが、ガイを襲った。

「や、やっ…そんなとこ、汚ぃ…!」
「そんなことないから力抜けって、すっげキツ…」

予想外の締め付けに喜びたいところだったが、このままでは挿れた途端にこっちがイかされそうだ。
こちら側としては同じ痛みを味わったことはないが、余程の痛みなのか生理的な涙がガイの頬を伝う。
初めての性行為がただの痛みで終わるだなんて、更に21で童貞のガイ自身に深い傷を付けかねない。
十分に慣らすべく、リラックスを試みた。

「陛下のば、かぁ…あ、んっ、んん」

罵声を聞かされた口を素早く塞いだ。
振りかぶってきた拳を片手で引きとめ、もう片方は変わらず抜き差しを繰り返している。
見開いた瞳がこちらを凝視している様子が、角度をつける為に開いた目から捕らえられた。
されるがままの反応から、舌の動きや目を閉じない初歩的なところからキスさえも初体験なのだろうと確信する。
逆に、その無垢純白の処女のような戸惑い方が新鮮で、面白くて堪らない。
自然と笑みが零れる。
処女なんて、ここ何年お目にかかれていないことだろうか。



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あきゅろす。
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