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After the Rain After/年賀企画/神リナ



年が明けて1月4日。

神田とリナリーは学校へと足を運んでいる最中であった。

センターまであと2週間ほど、受験生である2人はどこかへ遊びに行くでもなくただただ勉強する毎日を送っている。



「寒いね」


「…お前それ何回言えばすむんだよ」


「だって寒いものは寒いんだもん」


そう言って頬をふくらませた。



お互いしばらく無言になる。けどそれはいつものことで居心地の悪いものではない。

しかし今日はその沈黙をリナリーがやぶった。


「なんか神田が受かるか心配だな〜」


そうぽつりと呟いた。


「お前馬鹿にしてんのか?」


「そういう訳じゃないけど…。なんか最近不安で」


困ったように笑う。

それを見て何も言えなくなった。最近神田も同じ気分になることがあるのだ。
けれども夏からずっと頑張ってきた。決して怠けることはなかった。その記憶は残っている訳で。


「あれだけやってきたんだからな。まぁ現実は厳しいけど全力を尽くすだけだろ。受からなかったらそのときだ。で、そういうお前は受かるのかよ?」


「受かる…かな。多分?」


「疑問形で返すな」


「うっ、受かるよ!神様に頼んできたし『受かりますように』って。あと…」


「?」


「『ずっと一緒にいられますように』って」


「っ!」


一瞬にして顔が真っ赤になる。

なぜなら自分も同じことを神社で祈ってきたのだから。



「ねぇ、神田はなんてお参りしてきたの?」

リナリーに聞かれたがそんなの恥ずかしくて言える訳がない。


「…言わねぇ」


「え〜ずるい。ねぇなに言ったの?」


「うるせ。言わねぇって言ってんだろ!」


「言ってよ〜。顔赤いよ」


そう言って、いたずらっぽく笑う。


「っ、気のせいだ」


「え〜」




こんな些細なことが幸せで仕方がない。


「ねぇ、勉強終ったらさ、二人で神社行かない?一緒にお参りしようよ。ね、行こ」


「……めんどくせ」


「そんなこと言わない。よし決まり。じゃあ早速気合い入れて勉強していきましょう!」


「ちょっ…、ま、いいか……」


「かんだー、行くよー」


「…ん」


「よし、駆け足〜」


「はぁ、おい、ちょっ待てって」




将来のことなんかまだわからない。ひょっとしたらお互い別の道を歩いて行くかもしれないし、そうでないかもしれない。


それでも今は努力して、努力して精一杯やっていくしかない。

けれどもし神様がいるのなら、



(今はずっとずっと一緒にいられますように)


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