私は幸せ者です。/リナ誕
料理を作ろうと買い出しに行こうとしたら、「今日は僕が作る。リナリーは何もしてはいけない」と兄さんが言ってきかないので電話して神田に来てもらう。(こうみえて神田は料理が上手だし、同じマンションに住んでいるから。)
5分後、うちに来た神田はすごく眠たそうな顔をしていたが、文句は言わなかった。
そうして兄さんと神田は何を作るか家にある料理本を見ながら相談し、二人で買い物に出掛けて行った。
男二人でスーパーであれこれ言いながら買い物する姿を想像して一人くすりと笑う。
二人がいないうちに手早く洗濯と掃除をする。
テーブルクロスを水玉の可愛い物に変える。
昨日神田に買ってもらった赤い靴を出して、それに合う服に着替える。
今日はこの家でアレン君とラビと神田を招いての(神田はもう手伝わされているが)ささやかな誕生日パーティーだから外に出ることはない。
だがせっかくもらったのでこの赤い靴も出しておきたい。
赤い靴はテーブルの上に置いておくことにした。
兄さんたちが帰って来た。
すごい荷物。
ケーキはラビが誕生日プレゼントとしていい物を買ってきてくれると言っていたので買っていない。
どうやら作り始めるらしい。
きっとしばらくしたら学校でやる調理実習のように叫び声やら怒鳴り声やら聞こえてくるのだろう。
とにかく、今日は兄さんいわく、何もしてはいけないようだ。
ああ、私はなんて幸せなんでしょうか。
パーティーはもうすぐ。
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