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明日の鳥/ラビュ?/死ネタ



“4時46分に死ぬ”


そんなことを任務先で誰かに言われた。


くだらないと思って忘れようとしたが何故かその声は頭に残って消えなくて。


びくびくしていたけど4時46分には何も起こらなかった。



―嘘つき。


人間はいつも嘘をつく。


アイツも、なんにもない顔して、よく嘘ついてたな。


ふと思い出す。


でも死にたくはなかったから、よかった。


そう思っている自分に驚いた。



何日かたった後の夜。


自分の部屋で寝ていて、ふと胸が苦しくなった。


あまりにも苦しくて、思わずシーツを握りしめる。


―今日だったのかよ。


舌打ち。


時計はあの時刻前を指していた。


シーツを握った手が白くなる。


今日なら今日って言ってくれればよかったのに。4時46分なんて言われたって分からない。


そんな何時かの4時46分を指しているなんて思いもしなかった。



でも、もしあの言葉が正しいのなら、俺にはもう少し時間が残されている。


さすがにこの時間は嘘じゃないだろうな。


もう少し。


そう祈りながら(そんなタイプじゃないけど)、身体を引きずりながら彼の部屋に向かった。



まだ真っ暗で、自分の吐いた息だけが白い。


少ししか動いていないのに息が切れる。


少なくともあの人は嘘つきじゃあなかったんだな。


でも、あの人だけは嘘つきでもよかったのに。



俺は、死ぬ。



事実だろう。


でも、本当なら、もう少し後のはずだった。


―あの任務に行かなきゃよかったな。


今更後悔。


―まだ死にたくない。


やっぱりそう思う。



アイツの部屋には鍵が掛かっていた。


寝ているのか、そもそも任務に出ているのかもしれない。


―ここまでだな。


もう、立っていられなくなってそのまま壁づたいに崩れ落ちる。


仰向けになって、天井を見る。


自分の吐く、白い息ばかりがよく見えた。



ガチャリ。



ドアが開いた。


アイツは辺りをキョロキョロ見渡して、それから、やっと俺に気づいた。



「ユ、ウ?」



心配そうな目をして、しゃがみ込んで。



外が明るくなった。



もう、5時前だったもんな。



4時、46分。



最後に見たのは、オレンジ。









よくわからない突発文。
こういう雰囲気が好き。




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