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After the Rain 04/神リナ



4日間連続の雨。


傘が置かれるようになってから少し雨が好きになったがこんな毎日降られるのは嫌だ。

しかも今日は委員会が長引いて現在の時刻は午後7時50分。

携帯を開けば兄さんからのメールと着信がたくさん。

こんな日に限って仕事が早く終わってしまったみたいだ。

心配しているであろう兄さんに電話する。



よっぽど迎えに行こうかと言われたがそれは断った。

きっと今日もあの黒い傘があるから。

昇降口に行けば案の定あの傘はあった。

傘を持って外へ出る。8時を過ぎてしまったし雨の日なので外は真っ暗だった。


やっぱり迎えを頼めばよかったかな、少し後悔する。

それでも雨の中を歩いているとよく知った、私の大好きな人影。


神田だ。


嬉しくなって声をかけようとする。けど、


―あれ、でも待って。

なんで、傘さしてる…



朝と同じ、背筋を伸ばして黒い傘をさして前を歩いているのは見間違うはずなんかない。確かに神田だ。



じゃあ、この傘は…?



神田が角を曲がって見えなくなるまで立ち尽くした。



やっぱり雨は嫌いだ。


あきゅろす。
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