dust 血と絆
酒場にて(本文)
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カルロが酒場で飲んでいると、
彼に気づいた別のチームの構成員が声をかけてきた。
「よう、カルロ。最近例の技師とつるんでるそうじゃねぇか」
「まあな」
カルロがぶっきらぼうに答える。
「どうなんだ? そいつとはもうやったのか」
体の関係を持ったのか、と聞いているのだ。
同僚とその仲間たちが下卑た笑いを浮かべる。
堅気の世界で生きている者であればそんな質問をされたら
腹を立てるかもしれないが、彼らに別段悪気はない。
死と隣り合わせの日々を送る彼らは、男同士であっても
同じ境遇にある者と心あるいは体の関係を持つことも珍しくなかった。
しかし、その問いを受けたカルロは不機嫌そうに顔をしかめた。
「あいつはそういうんじゃねぇ」
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