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Short-short
その呼吸で僕の愛を
誰もいない朝の教室
自分の席に鞄を引っ掛けて椅子に座ると、辺りを見渡した。
「静かだな」
蝉もまだ鳴いていない6月のジメジメしたにおいが鼻腔をくすぐる
日差しはまだなく、薄暗い教室は半袖で過ごすには肌寒いくらいだった
ぽけっとに突っ込んだ両手をそのままに頭を机に持たせ掛ける。
額から机の湿り気を感じながらゆっくりと右頬を机に当てるとじんわりとした机の冷たさに溶けていく気分だ。
少しずつ俺の発する熱が机に広がり
やがて、頬と同化する

ああ、こんな風に先生の一部になれたらと
何度思ったことだろう
無機物になりたい。
それは飽くことのない虚実
スーツになって教科書になって先生と共に過ごせたらどんなに幸せなんだろうか
「ねっむいなー」
吐き出した言葉は机に水滴を作って
やがて消える頃には
俺の意識は夢の中にいた


『その呼吸で僕の愛を』



彼が眠った後くらいに通りかかった先生が頭を撫でるなんていうベタなシーンを思いついたのですが
澪風視点じゃ難しいのであきらめました。
終われば。


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あきゅろす。
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