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Short-short
※なんどでも君に愛を
「入れるぞ」
少しかすれたテノール音が鼓膜に響く
「・・ぁ・・ぁあ・・っ・・ん・」
先生の2本の指が圧迫する中を弄る
どんなに経験しても痛さは慣れてくれなくて、向かい合う先生の顔が霞む
「痛いか?」
優しい声音で囁いてから唇で流れ落ちそうになる涙をすくい取られる
いつも始まりは焦れるくらいゆっくり先生が触れていく
「ん・・もっ・・・と・はっ・・ぁあ・・っ・・・」
痛みを我慢すれば忘れてしまえるほど快感が襲う
その瀬戸際で先生はいつもよりずっと優しく俺をどろどろに溶かす
「くそっ、煽るな」
余裕のない掠れた声
それだけで溺れていく
先生と触れ合えばそれだけでいいはずなのに
もっとほしくなる。貪欲になる
大切だと肌同士で確かめ合える
愛してくれていることを知っている
だから
時折、無性に寂しく感じる
「せんせ」
「名前で呼べ」
ちゅっと音をたてて触れた後離れた唇
「じん、」
声に出すだけで溢れてくる涙をなんと呼ぼう
「じん・・・っ・・じ・・・すき」
何回伝えても、何度交えても伝わらない
もどかしくて苛立ちが涙になって頬を伝う
「みお、」
「好きだよ・・・じんがっ!じんが好きなのに、伝わらない」
ぐちゃぐちゃな視界が先生の手で拭われると耳元で先生の熱が響いた


『なんどでも君に愛を』



いつでもこの二人のスピードはゆっくりです
終われば。


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あきゅろす。
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