story
プロローグ
___コンコンッ
「苺華ちゃん、ちょっといいかしら」
「はーい今開けます!」
「話があるの。下に来てくれない?」
「うん?分かった」
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「__話ってなぁに?お母さん。」
「苺華ちゃん四月から高校入るでしょ」
「うん。それがどうかしたの?」
「…その、苺華ちゃんが行きたい高校には行かせてあげられなくなったの…」
「え… 今更何言ってるの? だって入試だって合格したんだよ?」
「そうなんだけど、家にはそんなお金は無かったのよ…だから…」
「そんなっそれじゃあ私高校行けないってこと!?」
「それは違うわっちゃんとお父さんと話して無料で高校通わせてくれる所があってね…」
「母さん、ちょっといいかい」
「あなた…はい。」
「苺華、お前は四月から別の高校へ行ってもらう。そこの高校は全寮制でな。身の回りの世話はある程度してくれる。
さっき母さんが言った通り、高校で掛かるお金はあっちで全て負担してくれる。だから金の心配は要らない…という訳だ。」
「はい?」
「友達に相談したんだ。いい高校は無いかと。そしたら是非我が校へいらしてくださいってな。」
「…そこってまさか不良校だったりしないよね?」
「いいや違う。深く考えるな。まぁ高校は行けるぞ」
「そういう問題じゃないような…」
「心配するな、いい高校だぞー?」
「まあ、しょうがないよね。わかったよ。」
ガタン…ガタン
「苺華ちゃん、荷物。詰めといたわよ。」
「お母さん!?いつからっ…って、どうしたの?」
「それが、準備ができ次第来いって。言われてたの。直ぐにでも迎え入れるって」
「はいいぃぃい!?」
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「苺華ちゃん…元気でね?」
「なんか一生会えないような言い草だね」
「苺華解ってやれ。お母さんはお前と離れるのが寂しいんだ。」
「そっか。…お母さん、心配しないで私はいつでもお母さんと一緒だよ…あ。あの車?」
「ああ。そうだ。…」
「神崎さん。迎えに来ましたよ」
「あぁ。どうぞ娘を宜しくお願いします」
「解ってますよ、任せてください」ニコ
「ほら苺華も」
「あ!よ…宜しくお願いします!」
「こちらこそ」
「は…はい。」
「かしこまらなくても大丈夫だよ?それじゃ…」
「お父さんお母さん、行ってきます」
『いってらっしゃい』
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「__苺華大丈夫かしら。」
「大丈夫だよ。」
「だって
''男子高校''なんでしょ?」
「あぁ。」
「やっぱり不安だわ」
「大丈夫。あの子ならきっと笑って帰って来るさ」
「そうよね…」
「中、入るか。」
「そうね。」
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