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第四章
いわゆるデート


服屋に着くとカノンはあれこれと何着かシリウスに持って来た。


「先輩、これなんかどうですか?」

「いや、これはちょっと…」


学校で見ているよりも活発に動き回るカノンにシリウスはたじたじだったが、これはこれでいいかもしれないと思っていた。会計をしに行くとカノンが買ったのは合計三着の服だった。それをプレゼント用に包装してもらっている。

シリウスは入口の所で待っていたが、店の中にいる少年達がカノンに視線を向けているのが気に食わないのか、カノンのすぐ後ろに立った。そして、少年達を一睨みすると彼らはそそくさといなくなってしまった。


「ブラック先輩?どうかしたんですか?」


包装されたプレゼントを抱え込んでいるカノンが不思議そうに見上げていた。


「なんでもねぇ」

「そうですか。あ、先輩どうぞ」


カノンは持っているプレゼントをシリウスに渡した。


「私からのクリスマスプレゼントです」

「さ、サンキュー」


カノンからプレゼントを受け取るとシリウスはにやけそうになる顔を必死で抑えた。


(やべぇ…。マジで嬉しい)


前を歩くカノンの後ろ姿を見ながらシリウスは今日ほど嬉しいことはないと思った。


―カノン…―


急にカノンが止まったためシリウスはカノンにぶつかりそうになった。しかしカノンはそれに気づかず、どこか遠くを見ているかのようだった。


―何、レックス?―

―お前、今どこにいるんだ?―


レックスの問いかけにカノンは周りを見るとちょうど目印になる物があった。一度だけ、イーグに連れられて来た店…。


―オリバンダーさんの店の近くだよー

―あそこかー


レックスからの思念通話が途絶えると人込みを縫うように白銀の髪の青年がカノン達の方へと近寄って来た。









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