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プロローグ
古代遺物

荒廃した遺跡とはいえ、やはり古代遺物が発見される可能性がありそうな文明だった。

カノン達はかろうじて建物の痕跡を残している遺跡内部に入っていった。そこは外の環境も関係している所為か漆黒の闇で覆われていた。カノンは明かりにするために魔力の球体を形成し、さらに奥へと進んで行く。


「ヴァルガレイス」

『yes. Master』

「何か魔力反応はある?」

『nothing』

「そう…」


カノンは自分のデバイスであるヴァルガレイスの返事にがっかりした。それに気づいたヴァルガレイスが『Sorry, master』と返すものだから、カノンは慌てた。


「ううん、ゴメンネ。こっちが気負いすぎたんだよ。ヴァルガレイスは何も悪くはないから」


笑って見せたカノンにヴァルガレイスはようやく気持ちした。前を歩くレックスがカノン達のやり取りをチラッと見たが、すぐに前に向き直る。






――――――――――――


どれくらい歩いたことだろうか。しばらくすると開けた場所に行きついた。そこには何かをはめ込めることができる場所が多数存在していた。そして、上には何かの壁画…。おそらくこの装置らしき物の使い方なのだろう。カノンとレックスはなるべく装置には触れないように辺りを見回した。
そこでカノンは目に付いた赤い宝石のようなものを拾った。


「これってもしかして」


ヴァルガレイスに魔力反応を頼むと、その物体からは現代のミッドチルダでは考えられない量のエネルギーが漏れていた。


「ロストロギア…」

「一旦、外に出て全員を集合させた方がいいんじゃないか?」

「うん。そうだね」


カノン達は外に出ようとした時、いきなり地震が来たかのように地面が震えはじめた。


「な、何!?」

―カノンさん!―


思念通話でなのはがカノンに語りかけてきた。声からは何か切迫しているような感じが取られた。


「何かあった!?この地震みたいな揺れは!?」

―未確認物体による襲撃です!動きはさほど速くはないんですが数が多いんです―

「わかった。私もそっちに合流するわ。なのはちゃんは私が行くまで部隊の指揮をお願い」

―わかりました。気をつけて下さい―

「そっちもね」


カノンはレックスに視線を向けると、ヴァルガレイスを構えた。


「憶測だけど、未確認の狙いはこれよね」


そう言って掌にあるロストロギアを見つめる。


「だろうな」


レックスも肩を竦めて答える。


「ヴァルガレイス、封印をお願い」

『Yes』


ロストロギアがヴァルガレイスの核となる蒼色の宝石に吸い込まれた。








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あきゅろす。
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