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「仗助ェ。ちょっと血吸っていい?」
「無理無理ー!」

昔の吸血鬼並みに質が悪い、肉の芽ついてる?なんて聞きたいが背後から飛んでくる標識やらを交わすので精一杯だ。

「ぎゃ!っか、店員怖い!」

細腕の姉ちゃんが標識を投げるなんて、どんな世界だぁ!叫びながら器用に人波を走る。角を曲がった先に見慣れたリーゼントがこちらを見ている。

「譲さん、大丈夫スか?」
「じょ、仗助くん!危ない!屈んで!」

蹴り飛ばすように行けば、若い姉ちゃんの持つ標識と顔面衝突。これ、ほんとに夢小説?痛さに悶えながらも仗助くんを引っ張って二人で街中を逃げ出す。

「どうなってンだ?」
「いいから逃げる!ペースト、花京院典明!とりついて、締め上げろ!」
「譲さん!」
「大丈夫、(仗助が)治すから!」
「…え…?」

なんか余計なのが聞こえた気が。なんて隣の仗助くんがいえども、譲は気にしている暇はない。ヴェルデが細い紐みたいになって、店員を捕まえた。

「GO!」

開始の合図と共にギリギリと、閉めあげて、店員を気絶さして近くのベンチに放置を決め込んで、やっと肩をなでおろした。

「譲さん、時間大丈夫なんスか!」
「そう言えば…」

時計を確認すれば、太陽を浴びてから時間は四時間を指してくれている。

「もう無理な気が…す…。」

切り傷に気付いたかのように、気がついてから、頭痛が始まり、吐き気と倦怠感がする。
ひっくり返って、どうすればいいか、考える。時間が経過した今、太陽ないとこまでは、全身火傷から始まって、体力勝負になる。

「とりあえず、よろしく。」

混濁する意識の中でも、遠距離移動に適した能力を持つ奴は居なくて、意識を手放しかける。

「譲さん!」

よろしくって家に連れ帰るしかないっスよね。なんて言っても答えてくれる人は違う世界に旅立ってるし。

「仕方ない大人!」
「…悪かったわね。とりあえず今度飯おごるはする…、よろしく…」
「譲さん、おーい譲さん?」

もぞもぞと仗助くんの背中に登る。承太郎より小さいから上りやすい。なんて思いながら、一息つく。

「仗助ェ。ちょっと血吸っていい?」
「譲さん、加減できないっスよね。」
「…うぐ…」
「血液パックで我慢してください。」

ぬえー。と恨めしげな声をあげながら譲はやっと眠りの世界にはいる。



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あきゅろす。
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