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図書館シリーズ。

「…怒ってないからね。」
「何よ、その宣言は。」
「とりあえず…どうかしましたか?小牧上官」
「シッ」
「…このまま帰ろうか、笠原さん来てるよ」
「な、何してます?」
「笠原さんがリンゴ剥いてるみたいだね、見舞いの果物籠の。」
「何ですって!?」
「…まずい。」
「何かまずいの?」
「笠原がそこまで器用じゃないのは、分かってた事だ。諦めろ柴崎」
「奴にリンゴを剥けるような技能があるはずありません!」
「日常、出来るヤツがやるのが部屋ルール」
「いっつも、あたしか佐藤の仕事なんだから。奴に切れるのは羊羹くらいのもんです。」
「…こないだ羊羹切れてなかったな…笠原か。」
「え、笠原が切ったの?このあいだの羊羹…だから、不味かったのか。」

(彼氏にいいとこ見せたいのは分かるけど飛躍しすぎだわ、せめてみかんから進化しろ!)
(……不格好なリンゴも笠原が切ったから、って食べそうな気がする。)
(確かに。)
(……邪魔するのも悪いよねえ)
(あの二人がひっつけば、長い時間が出来る。その内の数十分邪魔しても大丈夫だろう。)
(それもそうね。消毒液と絆創膏貰いに行こうか。)

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あきゅろす。
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