★MAIN★ 嘘(浜泉) どうして俺じゃだめなの? どうして?こんなに好きなのに どうして俺に嘘つくの? どうして?どうして?どうして? I WANT TO BE LOVED YOU 「うまくいかねんだよなぁ…」 「うん、分かる、それ」 今は栄口と昼休みのお食事タイム。 久しぶりに一緒に食べるんだけどやっぱ栄口とは気が合う。 それにお互いの恋人の愚痴言えるしさ。 なんか、もう…とりあえず楽しい。 それで話は冒頭に戻るわけだけど、 「いやでもさ、浜田さんは泉のことちゃんと全部分かってくれてるよ」 「何それ。あいつと俺そんなに信頼関係結べてるって思ってる?」 「……違うの?」 「違うな。少なくとも俺はそう思う」 「うそ。超仲良いじゃん」 「表面だけだよ。どうせお互い隠し事なんかたくさんしてる。この前だって浜田、嘘ついてたし」 「え!?どんな!?」 「……先週のミーティング、俺浜田ん家いかなかったんだけどさ。あいつバイトだから無理っつってたけど、実際ゲーセンで遊んでたし」 「うそでしょ…?なんでそんな嘘ついてたの?なんか事情とか…」 俺もあったらいいな、ってどれだけ思ったことか。実際ないよ、絶対。 「…ねーよ。絶対」 「どうして?そうとはいいきれないじゃん!」 「いんや。一緒に遊んでたなかの1人、浜田の元カノだし。確認とったし」 「確認…?」 栄口、泣きそうな顔してる。 きっと俺達が別れる危機だって思ってんだろな。つか、普通そう思うし。 「浜田の元カノ…。俺のダチのダチだし」 「おお…そんな繋がりが…」 「はは。んでさ、聞いたら、浜田に普通に…また遊ぼっつったらいーよ、って普通に返ってきたんだってさ」 「…うん…」 「…っしたらさ、浜田なんつったと思う?」 「…」 ああ、自分泣いてるな、って わかった。 栄口が更に泣きそうな顔したから。 「どうせなら…また……っ…しよ、って」 「……え?…いや、それって…」 「栄口が思ったとおりの意味だよ」 それを聞いたとき、不思議と、やっぱりって思った。 なんか、ミーティングの次の日からギクシャクしてるし。あの申し訳なさそうな、態度と表情。 一発で確信した。 あ、なんだ本当だったんだ、って。 なんだって何? 俺、心のどこかでそんなわけないなんて思ってたの? あまりの自意識過剰に呆れた。 浜田が俺で満足? するわけないじゃん。 馬鹿みたい 「え?な、んて…?」 「いやだからあ、別れよって。何回も言わせんなよ。泣くじゃん」 「は?…え…な、何いって…」 「知ってんだよ。元カノとやったの。いや、ほんと……ごめん」 ただ走った。 一瞬触れたあいつの手にあたった肩が、やけに熱くなった気がした。 もう、終わったんだ。 あいつとは。 なあ、今までのなんだったの? 2人で笑って、悲しんで、お互いめちゃくちゃに怒って泣いて すっごくむかつくし、留年したし、馬鹿であほだし、余裕しゃくしゃくな態度だし、俺のこと分かった風な口聞くし。 でも好きで。 ただただ大好きで。 素直じゃない俺を分かってくれたり、包み込んでくれたり、側で励ましてくれたり。 俺にだけに幸せそうで最高の笑顔を見せてくたり。 もうそれが本当に幸せで幸せで。 それを思うと泣けてきた。 浜田の笑顔が 浜田の泣き顔が 浜田のキレた顔が 浜田の真剣な顔が 嫌い。大嫌い。 でも大好き。 なのに… なのに。 馬鹿浜田。 . [*BACK] |