* _____________ _________ 暖かい。 さっきまでだって温かかったけど、それとはべつだ…。安心する…。 すごく久しぶり。 明るい夢が見れそう。 悲しい夢じゃなくて、楽しい夢。 忘れたいと願ってしまうようなものじゃなくて、覚えていたいと願うような夢。 あたたかい、夢。 ありがとう、きっと和だよね。 うんん、きっとじゃなくて絶対。 あの日から、あなたはあたしの家族なんだよ。 唯一の、たったひとつだけ。 __________________ __________ 大好きな人たちと会えなくなった日。 すごい、雨だった。まさに土砂降り。 そんななか、傘もささずにカッパも着ずに、ただ空を見上げていた。 目に入ってきたのは、霞んだ空とぼやけただれかのTシャツ。 耳に入ったのは、地を叩く雫の音と攫う風の音。そして、掠れた怒鳴り声。 もしかしたらこれがあなたとのファーストコンタクトだったのかも。 直接話したことはなくて、ただのクラスメイト。 ただ、あたしのだいすきな両親の、たいせつな友達の子供であるってだけの。 そんな関係だったあたしたちの。 はじまり、だった。 "家族"っていう、新しい関係の。 新しい存在の。 かけがえの、ない人。 (な、傘も差さずにこんなとこでなにやってんだよ!?)(…なにも……)(ちょ、おい!柏原!!?) 抱きとめてくれたその腕に、世界を感じた、なんて言ったら、和はどうしてた…? こんな、それぞれの 特別な関係 End. →あとがき ←→ [戻る] |