夢彼氏
6.
なんか、私捻くれてるよね…。
「…………。」
「…………。」
―お互いの沈黙が続く。
気付けば、学校まで半分という距離まで歩いていた。
私が前をさっさと歩き、こいつはとぼとぼと私の後ろに付いてくる。
まぁ、制服から見て同じ学校みたいだから付いてくる事に関して、文句を言うつもりは全くない。
この状態が耐えられなくなり、私は足を止めた。
「…初対面なのに、さっきはやり過ぎた。ごめん…。」
彼の方を見て、私は呟くように言った。
彼には聞こえていたらしく、嬉しそうな表情になる。
「それじゃ、僕と登校してくれる?」
上目使いで言われる。
これは、断れないな…。
「う…うん。」
まぁ、今更だが別に良いか。
そういえば、私は彼を学校で見た事がない気がする…。
こんなにかっこいいなら、知っていてもおかしくないはずだ。第一、女子がうるさいはず…。
「………?」
彼の横を歩きながら、私は首を捻っていた。
やっぱり、彼は謎だ…。
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