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夢彼氏
4.

「…あ、もしかして言ってなかったかな?」

少し苦笑を浮かべて、照くんは言った。

「僕、一応去年入学してるんだ。ちゃんとテストを受けてね。」

「…え、って事はもしかして私の先輩っていう事だよね?」

私は首を傾げた。
そういえば、照くんは私の一つ年上という事に今更になって気付いた。

「うん。でも、去年は全然学校に行けなかったから留年って事で、一年生から始めるんだろうけどね。」

「…もう秋だけど、授業についていけるの?」

一番気になった質問を私はぶつけた。他にも、気にすべき事をあるのかもしれないが…。

「うん。病室にいても暇なだけだから、これでも勉強はちゃんとしてたんだ。だから、心配しなくても勉強面は平気だよ。…でも、友達が出来るか不安だな。」

最後の一言で、照くんの表情が淋しげになった気がする。確かに、知らない人しかいないクラスに行くのも辛いと思う…。第一、周りが年下しかいないから複雑だろう。

「…不安なら、私が休み時間に会いに行ってあげるよ。」

気の利いた発言があまり出来なかった。逆に、迷惑かもしれない…。慌てて、他の言葉を考えて言おうとした途端、

「ありがとう…。そっか、夏南ちゃんがいるんだもんね。それなら安心だよ。」

照くんの顔が、またニコリと嬉しそうな微笑みを浮かべた。

「絶対に、会いにきてね。」

私の手を両手でぎゅっと握り、照くんは言った。窓から差し込む夕日のせいか、照くんの表情がいつもよりもっと優しく感じた。

「うん、約束…。」

私はニコリと微笑みそう言った。



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あきゅろす。
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