[携帯モード] [URL送信]

夢彼氏
6.

あの後、校門で綾兄と玲くんとは別れた。

一応、後で呼び出しをするかもしれないと言われてしまったが、無事に教室に行けるだけでもマシだろう。


綾兄の話によると、職員会議が今長引いていてHR自体が始まっていないとの事だった。
だから、教室に安心して入れるという事には本当に安心した。


「おはよう。」

私は教室の扉を開けて、教室の中に入った。
後ろには、隼斗と九条くんがいる。

「おはよ!珍しく遅いじゃん。」

笑顔で私に駆け寄ってくる女子が一人いた。

「まぁ、色々あって遅刻しちゃった。」

苦笑する私。
周りの空気が、私が入ったと同時に冷たくなった気がしてなんだか怖い…。

「ふーん。あ、鈴木と転校生君も一緒なんだね。」

「…学校行く途中に会って」

さすがに、九条くんが私の家に来た事は言いたくなかったので伏せた。

「おはよ、野島!」
「…おはよう。」

隼斗と九条くんは、挨拶をして自分の席に向かってしまった。


「…そういえば、なんだか空気が冷えてる気がするのは私の気のせいかな?」

私は気になっていた事を、親友の野島咲希に聞いた。

「気のせいじゃないでしょ。まぁ、こんなイケメン二人を連れてきちゃ、誰だって妬んじゃうって!」

「妬み!?」

危うく、大きな声で言いそうになってしまった。

「だってさ、カナの周りってイケメンばっかじゃん。」

「イケメン!?」

全く、話が掴めていない自分。
まぁ、確かに綾兄や部活の先輩である秋人先輩は綺麗な顔立ちだとは思うが…。

他に検討が全くつかない。

「カナってさ、色々と鈍いよね〜。」

「鈍いって、言われても…。」

困る私。
そう言われても、どうすれば良いのか分からないし困る。


[*前へ][次へ#]

6/12ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!