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アラベスク
家族3
「……ほんまに仲が悪いみたいやね…」


城山さんも反応に困ってか目が泳いでいる。


「変な家族なんですよ…城山さんは兄弟いらっしゃるんですか?」

「姉貴がおるんやけど、5つ上やからか結構仲はよかったで」

「いいお姉様ですね…」
(私と違って)

「オトンが医師で俺がまだ小さい頃に開業してな。オカンも手伝いで忙しくて中々家におらんで、俺にとって姉貴がオカンみたいなもんやね」

「そうなんですか…」

「恐い姉貴やで〜。やっぱ時々は喧嘩もしたけど、俺なんか一度も勝てんかった」

「今、お姉様は?」

「去年結婚して今は専業主婦してるわ。姉貴なんかが結婚出来るなんて思ってなんやからビックリした…義兄さんに"考え直すなら今のうちやで"って思わず言うてもうたもん」

「え〜…それもないでしょう」

「ほんまやって!姉貴凶暴やし…」

「城山さんみたいなタイプに限ってお姉様みたいな人と付き合ったり結婚したりするんですよ」

「嫌やあ〜…」

「ふふっ、きっとしますよ」

「そういうもんなんやろか。神来社さんは好みのタイプどんなん?」

「はい?」

「恋愛で好みの男や理想の男ってあるやろ?」

「あ、そういう事ですか。私、理想高いですよ?」


笑ってみせれば城山さんの表情は嬉しそうだ。


「聞きたい」

「暴力奮わない人、束縛しない人、私を理解してくれる人、後は目標に向かって頑張ってる人ですかね」

「へえ…束縛されるん嫌なんや」

「毎日メールとか電話くるとうざくないですか?それより、何かに頑張りながらも私の事を忘れないで何日置きかにメールや電話をくれる方が嬉しいですよ」

「えらい大人な意見やね」

「何事よりも女を優先する奴なんてダメですよ」

「ダメなんや」

「そういう人に魅力を感じないですもん」

「手厳しいなぁ…」

「でも、今の私を誰か愛してくれるかな…」

「今、神来社さん彼氏おらんの?」

「…病気になって別れちゃいました」

「馬鹿な男もおるんやね」







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