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穏やかな日々
暖かい日差しが降り注ぐ午後、電気鼠ことピカチュウは散歩をしていた。
いつも休憩場所に使っている巨木の下までやって来ると、ピカチュウのお気に入りの場所でロイが寝ているのを見つけた。
風に揺れる紅い髪、閉じられた瞼の下の蒼い瞳。
二週間ほど前に来た彼は、年齢に似合わない鋭い目をしていたのを覚えている。
人間の世界は難しいのだと、誰かが言っていた。
16才の少年が、冷たい目をするような過酷な世界。
自分にはそれがどんなものなのか、想像すらできない。

「う、っ…」

どうやら彼はうなされるいるらしく、目尻に涙が溜まっている。
きっと、戦争の夢を見ているのだろう。
それをそっと舐めとって、彼の隣に寝そべった。
ロイがどんな辛い時を過ごしたのかは分からないし、知ることもできない。
今できるのは寄り添うことだけ。

いつかは戦争が行われている世界に帰らなければならない。
だけど、ここにいる間は安らかに過ごしてほしい。
せめて、年相応の笑顔を浮かべてほしい。
そんな想いを抱きながら、ピカチュウは眠りについた。




穏やかな日々
まだこの世界には慣れていないのかもしれない
それでも、少しずつ、この穏やか日々を受け入れてほしい




ロイとピカチュウのコンビが好きです
これをキッカケに二人が仲良くなっていったらいいな(願望

09.12.15

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あきゅろす。
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