虚
お前と再会した時に少しだけ
「嬉しい」と思ったんだ
これからは「孤独」じゃないって解ったから
神であるが故に死ぬことを許されず
永久の時を生きてきた
生きていくことさえ億劫になりかけた時
お前という存在に出会った
創造神と破壊神
決して死ぬことのない存在
俺達は永い時を共に生きた
俺はポップンパーティーを開催した
俺達は人と接することが多くなっていった
お前は人間と共に過ごすことによって
「愛する」ということを知った
愛する者の死に耐えきれなくなったお前は死のうとした
だけど死ねないことを知った
死ねないお前は消えることを望んだ
破壊神の力を使って存在そのものを消した
跡形もなく消えた
存在していた形跡さえ残らなかった
やっと「孤独」だと感じなくなったのに
お前と生きていこうと決めたのに
死ぬことも
消えることもできない俺は
忘れたくない
忘れることなどできない痛みを背負って
死ぬことも生きることもできずにただ存在する
08.09.21
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