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ノリと勢いで始めると後々厄介な事になるので少しは自重しよう

今年も11月11日が来ました。

「ポッキーゲームしようぜ!!」

今日も元気に突拍子もないことを叫びながら、MZDはリビングの扉を開けた。

「「「……」」」

ああ、今年もか。
MZDの満面の笑みを見た瞬間、リビングに居た全員の心の声が重なった。
ちなみにP-catは夕飯の材料を買いに出かけているので、リビングにいるのは男性陣のみである。

「…今年も、ポッキーを賭けて争うのか?」
「大体はそんな感じだけど、今年は少しルールを変える」

呆れる黒神と上機嫌なMZD。
MZDの手にはよく見るようなダンボール箱。

「今年の景品はダンボール一箱分のポッキーだ!!」
「よし、さっそく始めるか」
「さっきまでのやる気の無さはどこ行ったんですか!?」

いぬ千代のツッコミも虚しく、甘党である黒神はあっけなくMZD側についてしまった。
こうなったらもう誰にも止められない。
彼らは十分すぎるほどそれを知っていた。

「今回はゲストを呼んである。そのゲストを一番最初に倒した奴に景品をプレゼントするからな」
「ゲスト?」
「ああ。めちゃくちゃ強いぞ」
「それって二重人格の軍人?それとも人間離れした英雄?」
「Kaeruさん、ジャンル違いますよ?」
「だって強い人って思い浮かばなかったんだもん」
「だからってそんな物騒な人達を思い浮かべないでください。あんな人間離れした人達とは関わりたくないです」
「いぬ千代って時々かなり失礼だよね」
「そうですか?」
「どうでもいいから早く始めようぜ」
「…そんなにポッキー食べたいんですか」

急かす黒神をなだめるいぬ千代を横目に、MZDは説明を再開した。

「今回のゲストは神の一種でもある。気を抜いたら一発アウトだからな」
「一体アンタは何を呼ぶつもりなんだ」
「今回のゲスト、それは…クトゥルフだ!!」

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クトゥルフ(Cthulhu)

クトゥルフ神話の古き神。
タコに似た頭部、イカのような触腕を無数に生やした顔、巨大な鉤爪のある手足、ぬらぬらした鱗に覆われた山のように大きな身体、背にはコウモリのような細い翼を持つ。

(Wikipediaより引用)
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予想もしなかった答えに一同は絶句した。
一番早く正気に戻った黒神が、MZDの胸ぐらを掴んで問い詰める。

「なんでそんな得体の知れないものを選んだ?」
「たこ焼きが食いたいからだ」

キッパリと断言したMZDを殴り飛ばす黒神。

「神話上の存在をたこ焼きの具にしようとするな!!そして今日の夕飯はロールキャベツだ!!」
「落ち着け黒神!!」

更に殴ろうとする黒神をカタツムリが羽交い締めにする。

「離せ!!アイツを殴らせろ!!」
「アンタらがケンカすると洒落にならないから止めてくれ!!!!」
「離さないとお前の分のロールキャベツ食べるからな!!」
「横暴だ!!」

黒神が暴走する一方、殴り飛ばされたMZDは某パイロットの物真似をしていた。

「親父にも殴られたことないのに…!!」
「気は済んだ?」
「それなりに」

それじゃあ始めるか、と呟いてMZDは立ち上がる。
その足下に妖しく光る魔法陣が広がる。

「おいでませゲスト様!!第二回ポッキーゲーム開始!!」

MZDの言葉を合図に魔法陣が輝きを増す。
光が収まった頃には、陣が展開されていた場所に謎の生物が鎮座していた。

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あきゅろす。
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