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花言葉 3
両親の墓参りに行ったら珍しい人に出会った。
「墓参りか?」
「カタツムリさんも?」
「まあ、そんなとこだ」
「珍しいですね」
「リュータこそ」
「オレは月一で来てますよ」
「マメだな」
「死んだ人が人なので」
狭い墓地のいたるところに彼岸花が咲いている。
持ってきたハサミを使ってキレイなものを何本か切り取って墓に供えた。
線香に火を着けて手を合わせれば今回の墓参りは終了。
「…悲しかったか?」
「悲しかったですよ」
「今は?」
「…今でもまだ、悲しくなるときはあります」
「悲しいことも、辛いことも、傷痕も、
いつかは気にならなくなる時がくる」
だからその日まで頑張れよ
それだけ言ってカタツムリさんは帰ってしまった。

ヒガンバナ:悲しい思い出

(もしかしたらあの人は
左手首の傷に気付いていたのだろうか)



09.09.28

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