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欲したのは目が眩むほどの陽の光
我慢で涼めるなら、とっくにそうしてる
ぎすぎすした空気?ピリピリした雰囲気?
そんなもの、むしろこっちからお願いしたい!
ちょ、これ、息しただけでも殺されそうだよ・・・!!





「あづい」

地を這うような重低音が発せられた唇の持ち主は、かわいらしい外見の金髪の子供だった。
女の子のようにかわいらしい声で『あっつーい☆』なんていってくれそうなものなのに、その眉間には山岳かと思うほどの皺が寄っている。
射殺せそうなほどに鋭い瞳は、世界すべてを憎んでいるかのようだ。
それどころか、殺気以上の何かを垂れ流している。
近寄れない。近寄ったら死ぬ!

ゆらぁりゆらぁりと歩く彼から、半径5mは人が引いて行く。
ガタガタと震え、真冬のように真っ青な顔をしている人々になど目もくれずに一点を目指す。
そこへいかなければ、今日の任務の打ち合わせが出来ない。
けれどそこは今、冷房が壊れていた。

いきたくない。
ただでさえ、大好きな人が里に居なくてイラついているのに。
干物にされそうなほどのカンカン照り、天然サウナのような気温。
汗でべったりと張り付いて、体に纏わりついてくる着衣。
イライラはピークに達していた。

ズガンっとひときわ大きな音がする。
里人たちがびくんと肩を震わせ、ナルトへと視線を向けた。
・・・しかしそこには、誰も居ない。
さっきまで彼の居たところに周りの店を巻き込んで、巨大なクレーターが残っているだけだった。

「死ねぇぇぇぇぇぇ!!」
「っぶ!?」

部屋の扉ごと、誰かを蹴り飛ばす。
しかしそれをした本人、ナルトは意気揚々とその勢いのまま、ソファに収まった。
それどころか、テーブルにのったままのコップを拾うと眉間に皺を寄せてぺいっと投げ捨てる。

「埃入ってる。入れなおせ」
「って、おいコラ!?」

瓦礫を蹴飛ばし這い出てきた人物は、ナルトへと講義すべく足を踏み鳴らし、歩み寄った。
勢いづけてテーブルに手をつくと、新しく入ったばかりのコップが跳ねて倒れる。
ぷっちーん!
何かが切れた音がしたのを境に、建物ごと隕石を落とされたかのようなクレーターに沈んだ・・・



「ナル!怪我はないか!?」
「平気だよ!シカvVおかえり!!」
「俺、もう・・・あいつと一緒に仕事したくねぇよ」
「わし、もう……火影やめたい・・・」

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