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くわばらくんとまるいくん
ハゲとガム



俺は今猛烈に恋している。好きな奴はそうだなぁ、優しくて、食いもんくれて、ハゲだけどめっちゃいい奴。いい奴すぎてよく人な騙されたり、こき使われたりしちゃうこともあるけど仲間思いの最高のパートナーだ。

「行くぞ!ジャッカル」
「おう!!」

そう、俺の好きな奴はダブルスの相方のジャッカル。好きだって気づいたのは中一の冬。それまで俺は特別ジャッカルが好きって訳でもいつも一緒にいるって訳でもなかった。
だけどその日ジャッカルは風邪を引いて学校を休んだ。教室に入った時違和感を感じた。何かもの足りないような不思議な感じ。その時、先生が入ってきてジャッカルが休みってことを言った。

俺は、わかってしまった。違和感がなんなのかを。

(いつもいるあいつがいないんだ)

ジャッカルは誰かが入ってくると必ず挨拶をする。どんな奴にも、だ。
俺はいてもたってもいられなくなって先生や友達が俺を呼んでるのもシカトして走った。
向かうはジャッカルの家。あいつん家は前に一度遊びに行ったことがあるから知ってる。

ピンポーン

「……はい、あれ?丸井?」

「ジャッカル…てんめぇ何病人のくせに出てんだよ!」

「えっ?えっ?いやだって家に俺しかいねぇし。」

「くそっ」

「てかなんで丸井が家に来たわけ?学校は?」

「うるせぇ!どうだっていいだろ!」

「お…おお。まあとりあえず中入れよ。寒いだろ?」

「…おじゃまします」

ああー俺本当なんなんだよぃ。超迷惑じゃん。風邪引いてる病人無理矢理起こしてあまついいって言ってのに茶まで用意させて。つか俺なんでこいつん家来たんだろ?そんなことを悶々と考えてたらジャッカルがいきなり声をかけてきた。

「コーヒーしかなかったんだけどよ、砂糖いくつ入れる?」

「5つ。あっでもやっぱ6つでシクヨロ☆」

「おまっそんなに砂糖入れんのか!?」

「なんだよ。普通だろぃ?」

「いやいや普通じゃねえから。」

入れすぎだろとかなんとか言いながらもジャッカルは砂糖を6つ入れてくれた。
(ん?好き?違っ///これは多分友達としてで。別にそうゆう意味じゃなくて。第一ジャッカルは男でってなんで俺こんな焦ってんだろぃ?)

「お…おい丸井。大丈夫か?顔赤いぞ」

そう言ってジャッカルは俺のでこに自分のでこをくっつけてきた。

(う、あ顔、近っ!!)

身体中の体温が全部顔に来たみたいに熱くなって心臓が張り裂けそうにバクバク言ってる。

「熱はないみたいだな。良かった。うつしたかと思った。てか丸井お前本当何しに来たんだよ?」

ジャッカルは怒ってる風でもなく本当に疑問に思ったように聞いてきた。俺自身なんでここに来たかわからない。だけど、何か言わなきゃ不審に思われてしまうから適当に見舞いに来た、と言った。そしたらジャッカルは一瞬驚いたような顔をしたがすぐに笑顔になった。

「そっか…サンキュ!」

「おう…」

その後、ジャッカルにうつしてしまっては悪いからと帰るよう言われて渋々帰ることにした。

「気をつけて帰れよ」

「…なぁジャッカル」

「ん?」

「明日は学校、来いよな?」

「…ぷっ」
「な、何笑ってるんだよぃ!」

「くっくっく…いや、丸井って案外可愛い奴だよな。」

「〜〜〜なんだよそれ!もうジャッカルなんて知らねえ!」

「はははっごめんごめん。じゃあまた明日な。」

「ったく。じゃあな!」

帰り道はずっとジャッカルのことばかり考えてた気がする。日本人と違って黒いよなぁとか実は結構格好いいなぁとか、やっぱり『好き』だなとか。その時初めて俺はジャッカルが恋愛感情として好きだって自覚した。

そっから俺は頑張った。毎日話しかけて、丸井からブン太って呼んでもらえるようになって(あん時はすげぇ嬉しかった)テニスでもダブルスを組んでもらえるようになった。

「ブン太。勝つぞ!」

「当たり前だろぃ。負けたらケーキバイキング奢れ」

「なんでだよ!ったく勝っても奢らさせられるんだろ。」

「あははっジャッカル大好き!」

「はいはい」

今は本気と思ってくれなくてもいい。だって本気で好きって言ってないから。だけどいつか、絶対好きだって言わせてやる!
























ハゲとガム
(愛してるぞ、ハゲ!)



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