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ぼくのとなりで君が(芥川)
なまえちゃんに告白した。しようと思ってした訳じゃなくて、無意識の内に。なまえちゃんは驚いた顔をしていた。そして俺はなまえちゃんが何かを言う前に逃げた。返事なんか聞きたくない。まだなまえちゃんを好きでいたい。その日から俺はなまえちゃんを避け始めた。それでもなまえちゃんは俺に話かけてくれた。告白の返事を返してくれようとも。だけど俺は聞きたくなくて、なまえちゃんの顔が見れなくて、適当に理由をつけては逃げていた。
「ジローちゃん。」
なまえちゃんは泣いた後のように、目を真っ赤にさせて話かけてきた。
「なまえちゃん!どうしっ…」
「ジローちゃん、私の話を聞いて。」
「え?」
「私ね、ジローちゃんの事ずっと好きだったんだよ。だから告白された時嬉しかった。だけどね、だけどジローちゃんが本気じゃないっていうのも、私のこと好きじゃないってのもわかったから。だからさ、せめて友達のままでは居させてよ。」
違うって、俺は本当になまえちゃんが好きなんだと言いたいのに思うように声が出ない。
「泣かないで…嫌だったよね。ごめん、忘れて…」
「…っ……待って!違うよ、嫌なんかじゃない!」
「ジローちゃん?」
「俺、なまえちゃんの事大好きだよ。避けてたのはね、返事聞きたくなかったから。なまえちゃんをずっと好きで居たかったから!」
そう、俺の我が儘なんだ。なまえちゃんの気持ちも考えないで、自分が傷つきたくないばかりに言い続けた我が儘。
「いっぱい傷つけて泣かせてごめんね…こんな俺だけど、お付き合いしてくれませんか?」
「…はいっ…」
ぼくのとなりで君が
(幸せそうに笑うから)(俺も幸せ)
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