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★ハローハロー(仁王)



「あっちに逃げたぞ!」


「探せ!あいつを殺せば俺達は助かるんだ!」


追って追われて、死にそうになって。どれくらい繰り返したのだろう。恐怖は初めの頃に比べたら随分感じなくなった。それも、私が鬼という立場になってしまったからだけど。
そして幸せだったあの頃をもう戻れないあの日々を懐かしむこともやめた。だって私は多分、いや絶対にこの狂った世界で死んでしまうから。昔を思い出すと、求めてしまう。生きたいと、彼らのあの光を。大好きだった人を。
たまにどうしても想わずにはいられない時がある。そうゆう時は彼らをとことん想って、記憶の限り懐かしんで、涙と共にまた心の中にしまう。


「なまえ」


「ん?なぁに雅治」


「好いとぉよ」


「ふふっ私も好きだよ」



彼は元気だろうか。詐欺師で悪戯好きででも優しくて、誰よりも人思いの彼。
私は別れを言うことが出来なかった。狡い、と思う。でも私は最後まで彼の恋人で居たかった。彼と変わらぬ毎日を過ごして居たかった。


「居たぞ!」


「殺せ!」


「!?」


パンパンッ


「っ…うえっ…」


「やった…やったぞ!これで俺達は助かる!」


「鬼は殺した!」


油断した。少しトリップし過ぎたみたい。でも不思議と穏やかな気持ち。もっと死にたくないとか嫌だとかそんな感情だらけになると思ってた。


「…いい天気だなぁ…」

























ハローハロー
(なまえが居なくなって1年が経った)



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