「おらっなまえ、今日の仕事だ。」 「へいへい。」 マネージャーになって一週間、テニス部は魔の巣窟だと思う。特に太郎はウザいし、跡部くん(泣き黒子野郎って言うと怒るんだもの)は人使いが荒い。このドリンク作りにタオルの洗濯、球拾いに球拭きを一人でこなすなんて有り得ないと思う。おかげで全身筋肉痛だ。 「こんな事言ってても仕方ないし、とりあえずやろう…」 仕事をし始めて二時間が経った。だめだ、もう疲れた。燃え尽きたよ、真っ白にな。 「なまえちゃん!」 「ジローくん?どうしたの。」 「どうしたの?じゃないよ!なまえちゃん顔色悪いCー。」 慣れないことしてるからね、顔色も悪くなるさ。でもそんな気づかれちゃうほどやばいのかな。 「気にしないでいいよ。ちょっと休んだら戻るから。」 「気にするCー!あっそうだ、俺と一緒にお昼寝しよ。」 昼寝?そんなことしたら、跡部くんに殺されそうなんだけども。 「本当に大丈…」 「レッツゴー。」 「…はい。」 駄目だ、ジローくんは天使だから悪魔の怒りなんか目じゃないんだ。あぁ私はどうなってしまうんだろう。 「ここここ!俺のお気に入りの場所だCー。」 「わあ…気持ちいい場所だね。」 「でしょ!本当は誰にも教えてない秘密の場所だけどなまえちゃんだけ特別、教えてあげるCー。」 「ジローくん…へへっありがとう。」 仕方ない、私を思ってやってくれてることだしここは一つ甘えさせてもらうとしますか。 「さっなまえちゃん、お昼寝しよう。」 「うん。」 ジローくんに教えてもらった場所は本当に気持ちよくて、ジローくんが隣にいる安心からかすぐに寝てしまった。私達が起きたのは、跡部くんが鬼のような顔をして起こしにきた時だった。 「てめぇら部活サボって何してやがる。」 「ごめん、跡部。」 「すいませんでした…」 「たくっだいたいなぁ…」 跡部くんのお説教は長くて、終わるころには9時を回っていた。 「へへっ、ねぇなまえちゃん。」 「うん?」 「またお昼寝しようね。」 「そうだね。」 「おい、聞いてんのか!」 『聞いてまぁす。』 跡部くんにお説教をされるのは二度と嫌だけど、たまにはこんな日もいいよね。 初仕事 (なまえちゃんお疲れ様) ←→ [戻る] |