幸せな日課(亜蝶様へ)
歩き慣れたこの道を貴女のことを想って歩くだけで一瞬にしていつもとは違う特別な道になるのは何故でしょうか?
「ふふっ、そうなの?」
「ええ、なまえさんがここで待っていると思うと部活も手につきません。」
「それは駄目だよ、柳生くん。私はテニスをやってる姿を見るためにここで待ってるんだから。」
これは秘密だった、と少し頬を赤くして笑うなまえさんに心を奪われたのはいつの日のことだっただろうか。初めて言葉を交わした日もこうして赤くなりながら話していたような気がする。
「そうだ柳生くん。今後の日曜日は暇?」
「日曜日ですか?…多分暇だったと…」
「良かった。あのね、久しぶりに一緒にお出かけしない?この前美味しいところてん屋さんを見つけたの。」
久しぶり、という言葉に少なからず罪悪感を覚える。部活が忙しいばかりに彼女との時間が取れないのは私の責任だ。寂しい思いをさせてしまっているのだと思う。
「柳生くん、そんなに難しい顔しないで。」
「なまえさん…」
「私は柳生くんと一緒に居れるだけで嬉しいよ。デートとかはあんまり出来ないかもしれないけど、でも柳生くんはこうやって会いに来てくれるでしょ?だから寂しくなんてないよ!」
私の心を見透かしたかのような台詞で笑う彼女を衝動的に抱きしめる。いつもいつも私は彼女に救われてばかりだ。
「今日の柳生くんは少し積極的だね。」
「嫌ですか?」
「ううん、でもちょっとドキドキする。」
ちょっとだけだよと、ゆっくり背中に腕を回してくるなまえさんをまた好きになった日だった。
幸せな日課
(そろそろ帰ろうか)(もう少しだけ)
-あとがき-
柳生甘夢ということで書かせて頂きました。
柳生夢というものをきちんと書いたことがなく、試行錯誤の末出来上がったのですが大分わからないキャラになってしまいましたね(柳生はもっと紳士です)
ですが、最近あまり書いたことのないキャラの小説を書くのにハマっていて、とても楽しく書くことが出来ました!
書き直しはいつでもいたします。
気軽にお声掛け下さい(^^)
亜蝶様、25000hitリクエストありがとうございました。
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