お昼寝しましょう(観様へ) 「けーちゃーん。」 「……」 「景ちゃん、つまんない。」 「俺様はつまんなくねぇ。」 「だー!私はつまんないの!離して!」 「……」 さっきからこれの繰り返し。久しぶりの休日で一緒に遊ぼうと思ったのに、景ちゃんはずっと私の事を抱きしめて離さない。最初は良かったけど流石に飽きてきた。 「ねぇデートしようよ、景ちゃん…」 「…昨日…」 「昨日?」 「昨日の昼から帰るまでずっとジローに膝枕してたろ。」 「あー…うん。」 足痛かったなぁ、あれは。ジローちゃん起きてくんないし、重くて動かせられなかったんだよね。まぁ、私もそのまま寝ちゃったんだけど。 「それがどうかしたの?」 「俺ですら、膝枕してもらったことねぇのに…」 他の野郎にするなんて、と抱きしめる力を強くしながら景ちゃんが言う。景ちゃんそれってもしかしなくても。 「やきもち?」 「…悪ぃかよ…」 急にぎゅうぎゅうと抱きしめてくる景ちゃんが可愛く思えてきた。普段やきもち妬くのは私ばっかりでなんだか新鮮。 「景ちゃんも膝枕する?」 「いい。だけど…」 その瞬間世界が反転して目の前には景ちゃんの顔が表れた。 「けけけけーちゃ…」 「腕枕させろよ。その代わり一緒に寝てやる。」 なんて偉そうな物言いなんだっていつも思う。でも腕枕も一緒に寝るのも嬉しいから結局何にも言えないんだ。 「起きたらデートしてくれる?」 「おう。」 お昼寝しましょう (おやすみ、なまえ) ←→ [戻る] |