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君と、あのころ(ゆい様へ)



あれはまだまーくんとお友達になって間もない頃、お昼休みを初めてまーくんと一緒に過ごした日のことだった。


「なぁなぁ、なまえちゃん。」


「うん?どうしたの。」


「いちごジャムパン食べる?」


こてんと首をかしげて少し微笑みながらパンを差し出してくれたまーくんにありがとうと言い、パンを一口貰う。


「ん、美味しいジャムパンだね。」


「じゃろ、俺の気に入りなんじゃ。」


「そうなんだ。あ、私のお弁当で欲しいおかずある?」


お弁当を見せるとまーくんは子供みたいに目を輝かせて、遠慮がちにしょうが焼きを指差した。


「これがええ、でもなまえちゃん食いたかったら他のでも…」


「ううん、いいよ。」


お弁当とお箸をまーくんに渡す。けれども一向に受け取る気配がなかった。不思議に思いまーくんの顔を見ると顔を真っ赤にしながらぽそぽそと食べさせてとねだってきた。


「な、なんかバカップルみたいだよ。」


「ええんじゃ。」

「そう…じゃあ、あーん。」


「んぐんぐ、」


恥ずかしい所じゃない、さっきのまーくん以上に私の顔は真っ赤だ。まーくんは天然タラシなのだろうか。将来が心配だ。


「むきゃ、」


「なまえちゃん、これ美味しい!」


超美味しいと興奮しているまーくんが突然抱きついてきた。驚きすぎて変な声が出ちゃったし。それに気づくこともなくぎゅうぎゅうとまーくんは私に抱きついてくる。


「くるし、」


「あ、ごめんなまえちゃん!」


まーくんは我に返ったのかまた顔を真っ赤にさせてごめんね、ごめんと何回も謝ってきた。正直な所、友達というよりもでっかい弟が出来た気分。大丈夫だよと告げるとまーくんは嬉しそうな顔で良かったと言った。


「なまえちゃん、友達になってくれてありがとう。」


「ふふっ、私の方こそありがとう。」


見た目は不良みたいに少し怖いまーくんだけれど中身はすごく可愛くて優しい。あれから季節が変わって肌寒い秋になった。そして私達の関係も少し変わった。


「なまえ!」


「まーくん、お疲れ様。帰ろうか。」


「うん、あ、なまえ大好き。」


大好き、暖かいと抱きついてくるまーくんとは恋人同士になった。最初の頃はくすぐったくて仕方なかったっけ。


「明日は部活ないからデートしよ?」


「うん、そうだね。」


手を繋いで、色んな話をして帰る。それは私達が友達でも恋人でも変わらなくて、これから変わらないで欲しいなって思った。

























君と、あのころ
(今も昔も君が好き)




-あとがき-

うしろのまーくん番外編ということで書かせていただきました。

二人の関係の今と昔を比べてみたかったのですが、いざ書いてみると全然変わらないんだなと自分で作っておきながら実感してしまいました←
今も昔も仁王はヒロインが好き(笑

この仁王連載の番外編を書くなんて思ってもいなかったのでとても嬉しかったです!

ゆい様、34000hitリクエストありがとうございました。


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