んー、今日はあったかくていい天気だなぁ。こんな日は数学なんかやらないでお外でひなたぼっこするに限るよね、うん。 「ってことでブンちゃん、私次サボるからシクヨロ!」 「はいよー。」 「ちょ、ちょちょなまえちゃんサボるんか!?」 「うん。だってあったかいし、眠いし、数学嫌いだし。」 ルートとか、2次関数とかってなんであるのかわかんないもん。四則計算出来ればいいじゃない。 「なまえちゃんサボるなら俺もサボる。」 「え、」 「ブンちゃん俺もシクヨロナリ〜。」 「いちごみるくなぁー。」 ブンちゃんは手をひらひらと振って私が救いの目を向けたのに見事スルーされてしまった。ちくしょう、いちごみるくに負けたのか。 「まーくん、ここ屋上だよ。鍵ないと入れないんじゃ…」 「これじゃろ?」 悪戯っこのような笑みを浮かべて鍵を見せるまーくん。なんで持ってるのかは聞かない方が良さそうだ。 ガチャ 「わぁー…」 春の風が少し暖かくてとても気持ちいい。これは数学をサボって来て正解だったな。 「なまえちゃんなまえちゃん、こっち。」 まーくんに呼ばれて着いた所はお日様がちょうどいいくらいに当たる、特等席だった。 「まーくん、ここあったかくて気持ちいいね。」 「おう、俺の気に入りの場所じゃ。」 「そうだったんだぁ…ここ本当にいいもんね。」 「ははっ、なまえちゃん眠いん?」 「うん、かなり。」 「ほれ、ここで寝んしゃい。授業終わったら起こすぜよ。」 ポンポンとまーくんは自分の太ももを叩いて誘ってくる。正直かなりの誘惑だ。でも友達とはいえ流石に男の子に膝枕をしてもらうのは恥ずかしい。ああ、でもまーくんの膝で寝たら気持ちいいだろうな……うん、私は変態じゃないよ。 「どうした?早く来んしゃい。」 「うぅ…お邪魔しまーす。」 結局誘惑には勝てずに膝をお借りした。お、結構いいかも。部活で鍛い上げられた筋肉は固くて、いつも低反発の枕を使ってる私にはちょうどいい。 「ふふっ、ちょっと照れるな。」 「そうやね…おやすみ。」 「おやすみ…」 その後すぐに私は夢の世界に旅立ってしまった。だって私が眠る間ずっとまーくんが膝を揺らして、まるで子供にするように優しく頭を撫でてくれていたから。そしてそれをチャイムがなるまでやり続けてくれたことを私は知らない。 君と、サボリ (またお膝貸してね) ←→ [戻る] |