いろんな恋
うたわないうた(アル←ラン)
いつだって私の気持ちを左右するのはアルト君だった。笑いかけてくれたら嬉しいし、嫌われたかなって思うとどうしようもないくらい悲しかった。そんな大切な大好きなアルト君だから、私は笑うよ。同じくらい憧れの大好きなシェリルさんと幸せになるんだったら。
「おめでとう、お幸せに。」
嬉しそうにはにかむシェリルさんはやっぱり綺麗で私なんかじゃ到底かなわないって思った。でもいいの、二人が幸せなら。私は今日も笑えるから、歌だってね、歌わない。私の歌はアルト君に捧げる歌だったから。シェリルさんが居る今歌えないよ。
「ランカ。」
どきりと胸がときめいてしまうのを、まだ許してね。大丈夫、諦めるから。全部全部思い出にするから。ずっとあなたの友達のランカ・リーでいるから。
「アルト君、幸せに、なって、ね。」
上手く笑えてるかわかんないけど、泣きそうなことには気づかないでね。
「ランカ、俺は…」
「アルト君、」
続きは言わなくてもわかるから、お願い、言わないで。私はあなたに恋をしました。あなたは素敵な歌姫様が好きでした。私の恋は咲くこともなく終わりました。これが私のシナリオ。私の終わり。それでいいの、私は二人が大好きだから。
「ばいばい、アルト君。」
だからね、少しだけ誰もいないこの丘で泣かせて下さい。あなたを想ってなく最後にするから。
うたわないうた
(アルト君、大好きでした)
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