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いろんな恋
せかいはきみだった(佐幸)



ねぇ旦那。旦那が居なくなって初めての春が来たよ。旦那は桜好きだったよね。よく佐助、団子を持ってきてくれ、花見をするぞとか言っていきなり命令してきてさ。あれ旦那が団子食べたかっただけなんでしょ。俺様知ってたのに言わないであげたんだよ。


「ねぇ旦那、声を聞かせてよ。」


旦那が死んでから世界が終わったように俺の中から色がなくなった。俺様だってこーんな小さい時から忍やってんだ真っ暗な世界なんて普通だった。なのにどうしてくれんの、旦那に出会ってから世界に色がついて、感情が表に出るようになって、人間らしくなって。俺様忍で道具なのに旦那が優しくしてくれて甘やかしてくれたから真っ暗な世界が怖くなっちまった。


「こんな女々しい奴だったかね、俺は。」


旦那が全ての俺にとってここは苦痛でしかないよ。そっちに逝ってまた会えるなんて保障は何処にもないけどさ、それでも此処に居るよりは何万倍もいい。


「またね、旦那。」




























せかいはきみだった
(生まれ変わっても君の傍に)



あきゅろす。
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