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いろんな恋
たからもの(跡岳宍慈)



「ふふっ」

「どうしたジロー?いきなり笑い出して。」

「んー…久しぶりだなって思って。」

「久しぶり?何が?」

「こうやって亮ちゃんに頭撫でてもらうのも、寝てる岳人に子守歌歌ってる景ちゃんを見るのもね。」


ジローに言われて気づいた。確かに久しぶりかもしれない。学校も部活も一緒の俺達だけど互いに好きな奴がいて、そいつと一緒に居ることが多い。


「なんかちょっと淋しかったC〜。」

「アーン?何言ってやがる慈郎。お前には日吉がいるだろうが。」

「そうだけど、昔はずっと一緒だったもん。」


恋人が出来てからというもの俺達が4人全員集まって跡部ん家に泊まるってことを以前よりしなくなった。俺はそれを淋しいとも思ったけれど、仕方ないとも思った。


「ん…じろー…」

「がっくん、ごめんね起こしちゃった?」

「んーん。なぁこっち来いよ、一緒に寝ようぜ。宍戸も。」

「うん!」

「おう」

「…せめぇ」

「でも暖かいだろ」

「ぬっくぬくだC〜」

「ジローもうちょっとそっち行けよ!」


4人でぎゅうぎゅうになって寝たその日の夢はとても幸せな夢だった。
跡部がいてジローがいて岳人がいて俺がいて。4人で楽しそうに遊んでる夢。だけどなんでか幸せすぎて涙が出たんだ。























たからもの
(俺達はずっと一緒だと)(そう思っていた)



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