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いろんな恋
くもりのち晴れ(忍岳)



跳ぶことは俺にとってプライドであり、誇りだった。ジローのように柔らかい手首も、宍戸のような足の速さも、跡部のような完璧なテニスも俺にはできない。そして多分俺から跳ぶことを取ったら、部内で一番弱いだろう。ジローも宍戸も跡部も違うって言ってくれたけど。俺はテニスが好きで跳ぶのも好きだから両方やりたいって思った。だけど、それには俺の相方になってくれる奴が必要だったんだ。俺のテニスは一人では出来ないから。


「それで俺が組まされたっちゅう訳か。」


「うん。」


ジローも宍戸も跡部もみんな俺が一人じゃテニス出来ないこと知ってた。だから俺の相方に相応しい奴探してくれてたんだと思う。ごめんな、侑士。お前はシングルスプレイヤーなのに。一人でも十分強いのに。


「アホ、謝んなや。俺は岳人とダブルス組めたことめっちゃ感謝してんねん。こんなに心から愛せる人に出会えて。そいつと結ばれて。これからも一緒やろ?」


「ゆーし…」


「なぁ岳人、俺はあいつらに頼まれてお前とダブルス組んだわけやない。岳人のプレー見て、こいつをもっと跳ばしてやりたいし俺ならそれが出来ると思ったからや。」


侑士は優しい。おっきい心で俺を包んでくれる。わがままな俺はいつもその優しさに甘えてしまうんだ。


「侑士、ありがとう。」























くもりのち晴れ
(侑士晴れてきた!)(ほんまや)



あきゅろす。
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