並盛到来
まだ幼い頃………
「亜稀…ちょっとおいで??」
おばあちゃんが急にあたしを呼んだ。
あたしは「なあにっ??」とかしげながら、おばあちゃんの所へと向かった。
おばあちゃんは、とても高そうな箱を開けてあたしに、その箱の中に入っているものを見せてくれた。
「わぁーっ……きれい!!」
幼いながらにもその箱の中の物が高価な事はわかった。
「これはねピンキーリングと言うものなんだよ」
その名前のとおり、普通の指輪より一回り小さくて…でもキラキラと輝いていた。
リングの真ん中にはピンク色の宝石が埋め込まれていた。
「このリングは代々受け継がれて来たものなんだよ」
そう言っておばあちゃんは懐かしそうに眺めた後に、箱の中からリングを取りだし、ネックレスにしてあたしにつけてくれた。
「あたし…これ貰ってつけていてももいいの??大切なものじゃ…」
「いいも何ももうそのリングは亜稀のだよ。それに亜稀に貰って欲しいんだよ」
おばあちゃんは目を細めてあたしに笑いかけた。
なんだかおばあちゃんは嬉しそうに見ていた気がした。
あれから九年………。
月日はあっと言う間に過ぎて行った。
そしてあたしは高校二年生になった。
「ごめんね亜稀ちゃん。パパの転勤で並盛って町に引っ越すことになったのよ」
ママが言うには、ここから飛行機で一時間の場所。
学校に通うことがかなり不可能だ。
でも幸い並盛高校が編入ありで試験に合格したあたしは、これから並盛高校に通う事になりました!!
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