気まぐれ屋
嫉妬…??(雲雀・甘)
「うーっ。情けない」
体調管理には気をつけておいた、つもりだったんだけどなぁ。
ピピッ――
体温計を見れば……
「38.5℃かぁ……」
何をするにしても、頭が重いし、クラクラすると思っていたのだが…まさか、こんなにも熱があるなんて思わなかった。
「う゛ーっ。とりあえず寝よ」
「それで??なんでかおりが来てないわけ??」
「かおりさんは、熱でお休みされると、連絡が入っておりました」
「ふーん」
あんまり雲雀さんは好ましく思っていないらしく、少々ご機嫌斜めらしい。
夕方――。
「んーっ。ママ??」
一階へ下りると置き手紙があった。
買い物に出掛けてくるわ。果物を剥いてあるから、食べられるなら食べておきなさい。
とのことだった。
部屋に持って行こ。
パタン――。
部屋はあたしの部屋。
……風邪をひいて、とうとう幻覚が見えたのかな??
「全部口に出てるよ」
「って………ええぇーっ!!どうして恭弥がここに??」
「お見舞い。彼氏なんだから、彼女の心配はするでしょ」
「でも学校は……??」
言葉を遮り、あたしをお姫様抱っこして、ベッドへと運んでくれた。
「ひゃぁっ///」
「風邪ひいてる分、身体が敏感かな??」
なんとなく気恥ずかしくなり、俯いてしまった。
「クスッ……」
キスされそうになった瞬間だった。
ピーンポーン
「……誰??」
「??さぁ…とりあえず出ないと!!」
パタパタと階段を下り、玄関にはツナと獄寺君がいた。
「かおりちゃん体調はどう??」
「うんっ…朝より大分よくなったし、明日からまた学校に行けると思う」
ホントは山本も来たがってたけど、部活で来れなかったとか。
「これ。風邪でも来れなら食えるだろ??」
中には、林檎と苺があった。
「え…いいの??」
「病人は気にせず元気になれ!!」
二人とも(いや三人)優し過ぎるよ。
うるうるとなりながらも「ありがとー」と言った。
「「いや…可愛すぎるよ!!反則だろ!!」」
「沢田綱吉…獄寺隼人…僕の彼女にあんまり手はださないでくれるかい??」
すっかり忘れてましたよ!!あなたの存在を……
ってかツナ達は、いいことをしてくれたんだし……
「手を出すって…それにツナ達は心配して来てくれたんだからね??」
「あのタイミングで来なくても…」
いやいや……タイミングもなにも…仕方ないじゃないですか。
ただの駄々っ子にしか見えませんよ。
「じゃあ…俺達はこの辺で…かおりお大事にね」
「ツナも隼人もありがとーッ」
パタン――ッ
ドアが閉まるなり、またもやお姫様抱っこして運ばれる。
ポフッ…
「ーーッ///」
「今日はかおりが風邪ひいてるから、我慢しようと思ったけど、やめた」
やめたって…おいっ!!
でもたまに、嫉妬した一面を見れてよかったかも。
……たまにだよ!!
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