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気まぐれ屋
優しくしないで(骸寄り・切)
あなたの気持ちは、あたしは知らない。



怖くて聞けないよ。


気まぐれな優しさならいらない。辛くなるから…。


「あの…かおりさん!!」

声の主は…おそらくこの手紙を、あたしの机に置いた人だろう。


昨日の朝、授業の準備をしようと思っていたときに、見慣れない手紙(未開封)を見つけた。



その封筒の右下に近山 かおり様と書いてあった。


中を開くと、明日の放課後に中庭に来てほしいのだとか……



結局…





断る理由を見つけることもなく、約束された場所へと行った。





「ずっと好きでした」



「……。」


うれしけど…。
でも君じゃダメなんだ。


「あっ…。いきなりすみません」

「いえっ…。でもごめんなさい…あたし」

「分かってます…わざわざ来てくれてありがとうございます」


そういって、あたしはその場から離れるしかできなかった。



……!!



「かおり!!」


いつも会うたびに、こうやって抱きつかれる。



いい加減慣れてもいいのに、いまだ慣れることはない。



「どうしたの??」

「さっきのやつと何話してたんですか??」


ほら…そうやってあたしの心をもってゆく。



「……」

「まぁ関係のないことですね…寒いから帰りましょう」





そうやってすぐに突き放そうとする。


それなら最初から……




優しくしないで…

(お願いだから…引き戻れる前に…)

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